河合隼雄『猫だましい』(新潮文庫)を読む。「猫たましい(魂)」と「猫だまし(騙し)」をかけているという。河合はユング派の臨床心理学者、月刊雑誌に1年間連載したものをまとめている。猫に関係する小説を取り上げて魂を語ろうという。
取り上げられる作品は、
ホフマン『牡猫ムルの人生観 並びに楽長ヨハネス・クライスラーの断片的伝記(反故紙)』(岩波文庫)、
ペロー「長靴をはいた猫」、
ル=グイン『空飛び猫』『帰ってきた空飛び猫』『素晴らしいアレキサンダーと、空飛び猫たち』(村上春樹訳、講談社)、
「日本昔話」、
宮沢賢治の猫、
「鍋島猫騒動」、
佐野洋子『100万回生きたねこ』(講談社)、
ポール・ギャリコ『トマシーナ』(角川文庫)、
谷崎潤一郎『猫と庄造と二人の女』(新潮文庫)、
大島弓子『綿の国星』(白泉社)、
コレット『牝猫』(岩波文庫)
さらに取り上げられた作品に関連していくつもの作品が引かれている。私は、ル=グインとギャリコと谷崎を読みたいと思った。
末尾に「感想マンガ」として、大島弓子の「“黒猫の想い出”」という4ページのマンガが載っていてこれがいい。
最近猫を亡くしたばかりだから猫に関する本を読んでみたい。