2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧
8月下旬は毎年恒例のサントリーホールのサマーフェスティバルが開かれる。現代音楽の連続演奏会だ。「音楽の現在」で世界の旬の作曲家を紹介し、「テーマ作曲家」で、一人の作曲家の作品を演奏する。そして最後に芥川作曲賞選考演奏会が開かれる。今年の「…
昔の日本の出版では改行もなかったし文章の冒頭の1字落としもなかった。句読点すらなかった。それらはすべて欧米の組版の方法を取り入れたものだ。段落ごとに改行し、改行した後は1字落とす。 活版の時代に組版について細かな約束ができあがった。ただ曖昧…
テレビの「開運! なんでも鑑定団」を見ていると、非破壊検査株式会社のコマーシャルが流れる。金子みすずの詩が朗読される。 青いお空のそこふかく、 海の小石のそのように 夜がくるまでしずんでる、 昼のお星はめにみえぬ。 見えぬけれどもあるんだよ、 見…
昨日に引き続いて「新世代への視点2009」の紹介をしたい。 開催期間:7月27日(月)〜8月1日(土)、日曜休廊 11:00〜19:00(最終日〜17:00) gallery 21yo-j(自由が丘)のみ 7月28日(火)〜8月9日(日)(月曜休廊) 画廊と作家:(全12画廊のうち…
「東京現代美術画廊会議」という銀座、京橋の現代美術の主に貸画廊をしている10の画廊が1993年より合同で「新世代への視点ー画廊からの発言」という企画展を行ってきたが、今回その10回目が開催される。ここに参加する画廊こそ銀座、京橋の現代美術に関する…
渡辺剛の写真展は何回か見た。ギャラリー山口や資生堂ギャラリー、九美洞ギャラリーでもやったのではなかったか。先月の秋山画廊での個展は見逃してしまったけれど。 渡辺はアメリカとメキシコなどの国境を撮影している。それぞれの国へ入国し、国境の同じ場…
私の職場は女性が4人いる。1人が未婚で3人が既婚者。彼女たちが手相を見ながら結婚の時期についてお喋りして盛り上がっていた。私も手相を見ますよと言ったら、未婚の女性が見てほしいと言う。27か28歳で結婚しますと答えた。ほかの女性たちも見てほしい…
銀座みゆき画廊の石井紀湖(いしいきこ)展「夏の庭 夏の草」が始まった(8月1日まで)。石井は木の抽象彫刻家。今まで2年に1回ほどギャラリー山口で個展をしていたが、今年はみゆき画廊での発表だ。写真の作品は「夏の草」と題されていて、高さ2メート…
鶴見俊輔「悼詞(とうし)」(編集グループSURE)を読む。1950年から58年間にわたって書かれた追悼集。125人が取り上げられているが、短い文でわずか3行、もっとも長いものはいとこの鶴見良行に対するもので12ページ、母親が10ページ、ついで9ページの竹内…
東京神田のアートギャラリー環で坂崎香織展「無防備なたましい」が開かれている(25日まで)。作品は45cm×32cmかそれ以下の小品で、アクリルガッシュで描かれている。作家は1984年東京生まれ、2007年女子美術大学を卒業している。 私がこの作品に惹かれるの…
久しぶりに吉田秀和の「音楽展望」が掲載された(朝日新聞、2009年7月20日)。タイトルが「観桜の記 仰ぎ見る花こそ、美しく恐ろしい」で桜の花を見てきた様々な印象を書いている。一番強く印象に残った桜が宮島の厳島神社の裏で出合った桜、二番目が紀伊勝…
岡田暁生「音楽の聴き方ーー聴く型と趣味を語る言葉」(中公新書)がすこぶる面白い。主にクラシック音楽について言葉で語れとか言っている。内容をうまく要約できないが、目次から「音楽と共鳴するとき」「音楽を語る言葉を探す」「音楽を読む」「音楽はポ…
蛇蔵&海野凪子「日本人の知らない日本語」(メディアファクトリー)が52万部突破だという。日本語学校の先生vs外国人学生の笑える日本語バトルと帯の惹句にある。新聞の広告に紹介されているページが秀逸。 先生 敬語について質問が 「教えて頂けますか」と…
「neoteny japanーネオテニー・ジャパンー高橋コレクション」を先週上野の森美術館で見る。(7月15日まで)。精神科医の高橋龍太郎氏(1946ー)がここ12年間ほどに収集した現代美術のコレクション展。特徴は日本の現代作家に限ること、現代美術とはいえイラ…
コピーライターの散文が評価できない。戦前から活躍していた大御所のコピーライターのエッセイがひどかった。体言止めの羅列で、とても読めたものではなかった。新聞記者の文章もだいぶひどいが(「新聞の文章は分かりやすさを旨としている」参照)、コピー…
7月12日のNHK教育テレビ「日曜美術館」で犬塚勉が紹介された。犬塚勉(1949ー1988)はスケッチのために登った谷川岳で遭難した。非常に精密な自然を描いている。写真のようなスーパーリアリズムだ。描写の技術もすごく絵の完成度も高い。犬塚のような知られ…
今日7月15日は山本弘の28回目の祥月命日だ。山本弘は今日が6月15日のつもりで1か月間違えて亡くなった。6月15日は誕生日なのだ。 もう18年前になるが、山本弘未亡人愛子さんから相談を受けた。飯田市美術博物館から弘さんの絵の寄贈を求められている。す…
朝日歌壇に馬場あき子選で次の歌が載っていた(2009年7月13日)。 飼亀を池に戻して幾月ぞ飢ゑてをらずや恋を得たるや (東大和市)板坂壽一 この亀はペット屋か縁日で買ってきた最初は小さかった亀ではないか。大きくなって近所の池に放したのだろう。外来…
佐藤春夫「小説永井荷風伝」(岩波文庫)を読んでいると、職場の女性が、荷風さんいつもうちのおばあちゃんのお店でカツ丼を食べていたんですと言う。亡くなる前の日も来て食べたそうです。 お店はどこにあるの? 京成八幡駅の駅前です。駅の北口すぐ前の大…
車谷長吉が朝日新聞の「悩みのるつぼ」で大胆な発言を繰り返している。(2009年7月11日) 心配に取りつかれているという80代無職女性の質問者に対して、車谷長吉はこう発言する。 ご子息は中年になって離婚されたのだそうですが、私は世の半分以上の女性は…
今日土曜日はギャラリーゴトウの山本弘展最終日だ。昨日は絵と書が売れた。懐かしい人や初対面なのにブログを通じてすでによく知っている人にも会えた(てか飲んだ)。 ふらっと立ち寄ったんだという元F市美術館館長のMさんも見てくれた。画廊主に、この作家…
先日山本弘展に来られた女性が書を見に来たと言う。彼女の友人が山本弘の書を高く評価している。絵はともかく書はいいですね。(展示している1点の)ほかにはないのですかと聞かれた。 その友人というのはやっぱりEmmausさん(id:Emmaus)だった。さっそく…
7日の東京12チャンネル「開運 なんでも鑑定団」で児島善三郎の油彩が500万円と評価されていた。戦後しばらくの頃週刊朝日の表紙を飾った小さな絵だ。鑑定士の永井さんは、これが小磯良平だったら2,000万円だと言われた。 小磯良平の作品はきわめて評価が高…
ギャラリーゴトウの山本弘展、下の写真は1978年制作の「洪水」6号。山本弘の激しい一面を表している。1961年の飯田伊那地方を襲った集中豪雨の記憶を山本は繰り返し描いている。野見山暁治が、福岡のアトリエのベランダの大瓶を一瞬にして砕いた台風の記憶…
銀座1丁目のギャラリーゴトウ2nd roomで山本弘展が始まった。今日が初日で多くの方が来てくださった。私は仕事があるので、毎日午後5時半から6時半まで会場に詰めている。お陰で大変評判が良い。 10号の作品を3点並べてこれが中心となっている。 左から…
先々週の朝日新聞の「悩みのるつぼ」という身の上相談に車谷長吉の過激な回答が載せられているのを紹介した(id:mmpolo:20090614)。今回の「悩みのるつぼ」もなかなか興味深い質問と回答だ。7月4日付けの質問者は「女子浪人生 18歳」、回答者は社会学者の…
来週7日(月)から始まるギャラリーゴトウの山本弘展の展示をした。推薦していただいた御子柴大三と同時期に個展をする画家の横田海さんが展示を指導してくれた。想像していた以上のすばらしい空間になった。 今回10号3点、6号5点、4号4点、ドローイン…
加藤周一「続羊の歌ーーわが回想ーー」(岩波新書)を35年振りに読み返している。「羊の歌」ともどもすこぶる面白い。その中に次の一節があった。 私はニースの料亭の壁に読んだプロヴァンス語の諺を私自身にくり返した。「愛は時を忘れさせ、時は愛を忘れさ…
昔、私の娘の母親(当時の妻)がいやになっちゃうわ、貨物列車が通るとき娘が列車の数を数えるのよ、私はこの列車どこへ行くのかなって思うのにと言った。貨物列車が通るとき車輛の数を数えるのは私にも共通する趣味だ。自然と数を数えている。文系の母親に…
来週7日(月)から11日(土)まで銀座1丁目のギャラリーゴトウ 2nd roomで山本弘展が開かれる。メインギャラリーで横田海展が開かれ、その奥の小さなスペースでギャラリー汲美以来2年ぶりに個展が開かれる。 ギャラリーゴトウ http://www.gallery-goto.co…