加藤周一「続羊の歌ーーわが回想ーー」(岩波新書)を35年振りに読み返している。「羊の歌」ともどもすこぶる面白い。その中に次の一節があった。
私はニースの料亭の壁に読んだプロヴァンス語の諺を私自身にくり返した。「愛は時を忘れさせ、時は愛を忘れさせる」。
そうかこの諺を知ったのはこの本だったのか! 去る者日々に疎しも、眼から消えたものは心からも消えるも、大同小異だ。いや、否定的に言っているのではない。そのように人は癒されるのだ。
- 作者: 加藤周一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1968/09/20
- メディア: 新書
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