2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

山本弘展が開かれる

東京渋谷のアートギャラリー道玄坂で山本弘展が開かれる(8月19日―8月25日まで)。ここアートギャラリー道玄坂では2017年、2018年に続いて3回目となる。 今回は形がないものを描いた作品を中心に展示したい。霧そのものや、降雨、降雪、薮とか柴垣など。それ…

うしお画廊の淀井彩子展を見る

東京銀座のうしお画廊で淀井彩子展が開かれている(8月10日まで)。淀井は1966年に東京芸術大学美術学部油画科を卒業し、1968年に同大学大学院油画専攻を修了している。その後フランス政府給費留学生としてパリに留学。2011年まで青山学院女子短期大学芸術…

伊熊よし子『35人の演奏家が語るクラシックの極意』を読む

伊熊よし子『35人の演奏家が語るクラシックの極意』(学研プラス)を読む。クリスティアン・ツィメルマン、チョン・キョンファ、ダニエル・バレンボイム、アンネ=ゾフィー・ムター、アファナシエフ、ギドン・クレーメル、サイモン・ラトルなど錚々たる名手…

「お尻にさわる」

先だって若い女性画家がFacebookに書いていた。 先生「〇〇さんっていう絵描き知ってる?(普通の絵に関してのお話の中で)」私「知ってます! 母のお尻を触った人です!(*・∀・*)」先生「あの人は誰でも触るの!」私「知ってます!(*・∀・*)」二世絵描きは…

日本橋高島屋本展S.C.本館6階の美術画廊Xの村松英俊展「STONE TOOLS」を見る

東京日本橋の日本橋高島屋本展S.C.本館6階の美術画廊Xで村松英俊展「STONE TOOLS」が開かれている(8月12日まで)。村松英俊は1988年静岡県生まれ、2016年に東北芸術工科大学大学院彫刻領域を修了している。 村松はミシンや井戸の手押しポンプなど、古い既製…

野木萌葱 作、小川絵梨子 演出『骨と十字架』を見る

新国立劇場小劇場で野木萌葱 作、小川絵梨子 演出『骨と十字架』を見る。野木は2年ほど前に『東京裁判』を見ていっぺんに魅了された。この『骨と十字架』は、北京原人の発見に関わったカトリック神父であり古生物学者のテイヤールに対するヴァチカンの、カト…

ギャラリーアビアントの高橋理和展「1992-2019」を見る

東京浅草のギャラリーアビアントで高橋理和展「1992-2019」が開かれている(8月3日まで)。高橋は1953年京都府舞鶴市生まれ、1972〜73年にスペインマドリッドプラド美術館において模写の勉強をしている。1977年東京造形大学美術学部油絵科卒業。個展は銀…

藍画廊の阿片陽介 陶造形展を見る

東京銀座の藍画廊で阿片陽介 陶造形展が開かれている(8月3日まで)。阿片は1987年神奈川県生まれ、2010年に多摩美術大学美術学部工芸学科陶専攻を卒業し、2017年に筑波大学大学院博士前期課程芸術専攻総合造形領域を修了している。2015年に藍画廊で初個展、…

「画廊からの発言/新世代への視点2019」が始まる

東京銀座・京橋を中心とする現代美術の画廊が共同主催する「画廊からの発言/新世代への視点2019」が始まった。これは恒例の10軒の画廊が推薦する40歳以下の若手作家10人の個展だ。現代美術の代表的な貸画廊が選んだ作家たちだから見逃せない重要な企画で、…

ギャラリーハウスmayaの岡田まりゑ展「カケラ」を見る

東京北青山のギャラリーハウスmayaで岡田まりゑ展「カケラ」が開かれている(7月15日まで)。岡田まりゑはキャリアのある版画家で上品で優しい作品を発表している。色彩が美しく、イメージが幻想的だ。岡田のブログからプロフィールを引く。 主に銅版画を中…

ギャラリー椿のオークションが始まった

今日から京橋のギャラリー椿で恒例のオークションが始まる。 オークションは7月20日(土)、21日(日)、22日(月)の3日間。誰でも自由に入札できる。今年は750点以上の出品点数だ。ギャラリー椿は銀座・京橋地区でも特に大きなギャラリーだが壁面はぎっ…

スタニスワフ・レム『短篇ベスト10』を読む

SF

スタニスワフ・レム『短篇ベスト10』(国書刊行会)を読む。「スタニスワフ・レム コレクション」全6巻のうちの1冊。10篇の短篇が載っている。以前、佐倉統が朝日新聞に書評を書いていた(2015年7月5日)。 スタニスワフ・レムは、いろいろな顔をもつ作家だ…

西東三鬼『神戸・続神戸』を読む

西東三鬼『神戸・続神戸』(新潮文庫)を読む。西東については前衛的な俳句を作る俳人としか知らなかったが、SギャラリーのYさんのブログで本書を知った。西東が京大俳句事件で特高に検挙され、執筆を禁止されて神戸へ流れていく。アパートを兼ねたホテルを…

「入水」という言葉の意味

NHKニュースを見ていたら、水泳の跳び込み競技でアナウンサーが、跳び込んだ選手が「入水(にゅうすい)の前に云々」と叫んでいた。入水と発音するのは読みも意味も違うのではないかと思った。 もう60年近く前になるが、私が中学生のころ、夏休み前に学校か…

ギャラリー58のフクダユウヂ展「ねじれる予感」を見る

東京銀座のギャラリー58でフクダユウヂ展「ねじれる予感」が開かれている(7月20日まで)。フクダは1974年横浜生まれ、1998年大正大学文学部国際文化学科を卒業している。2013年に講談社フェーマススクールズを卒業し、2016年にここギャラリー58で初個展、以…

山本弘の作品解説(89)「(題不詳)」

山本弘「(題不詳)」、油彩、F4号(33.5cm×24.0cm) 制作年1977年。顔が描かれている。鬼のようでもある。顔に白い三角が重ねられている。三角が顔の輪郭を表すようでもあり、造形的に加えられているようでもある。鬼のようでもあると書いたのは顔が赤いこ…

なぜ山本弘は絵にし難いモチーフを描いたのか?

山本弘は不思議な世界を描いている。そのことを8月に開く山本弘展のちらしに書いた。 山本弘はふつう絵に描きにくいものをしばしば描いている。霧そのもの(「種畜場」)や、降る雪(「雪の三叉路」)、降る雨(「秋雨」、「街の雨」、「水神」)、小枝を束…

山本弘の作品解説(88)「(題不詳)」

山本弘「(題不詳)」、油彩、F10号(53.0cm×45.5cm) 制作年1976年9月。中央上部に三角形が描かれているように見える。それは山、それも風越山ではないだろうか。中央下部に描かれているのは山へ向かう道ではないだろうか。道を挟んで両側に描かれている茶…

吉本隆明『追悼私記 完全版』を読む

吉本隆明『追悼私記 完全版』(講談社文芸文庫)を読む。吉本が「あとがき」で書いている。 ……もしこれらの追悼の文章に共通項があるとしたら、死を契機にして書かれた掌篇の人間論というほかないということだ。 43人、50篇の追悼文が載っている。1人に2篇…

亀戸の石井神社が朝日新聞で紹介されている

朝日新聞のコラム「マダニャイとことこ散歩旅」で東京亀戸の石井神社が取り上げられている(2019年7月11日夕刊)。 神社の奉賛会「おしゃもじ会」の・・会長は「地元では、おしゃもじ様と呼ばれているんです」。神社の歴史は古く、平安時代の811年に弘法大…

Stepsギャラリーの吉岡まさみ展「待合室」を見る

東京銀座のStepsギャラリーで吉岡まさみ展「待合室」が始まった(7月20日まで)。タイトルが「待合室」でサウンドインスタレーションとなっている。DM葉書に簡単な説明が書かれている。 音声を使って病院の待合室を模した空間をギャラリー内に作ります。 事…

JINENギャラリーの枝元郁展を見る

東京日本橋小伝馬町のJINENギャラリーで枝元郁展が開かれている(7月14日まで)。枝元は1990年北海道生まれ。2011年にアートコンプレックスセンターで初個展、以来主としてここJINENギャラリーで個展を繰り返している。 今回三角形のレリーフ状の作品を展示…

山本弘の作品解説(87)「子供(仮題)」

山本弘「子供(仮題)」、油彩、F10号(53.0cm×45.5cm) 制作年不明、おそらく最晩年の作品だろう。キャンバスの裏面に誰かの字で「子供」と書かれているのでそれに従った。左側にそれらしき形がある。上部に頭らしき丸が描かれ、そこから下に紡錘形が描かれ…

山本弘展のちらしのために

山本弘「雪の三叉路」 F10号 今年も8月19日から1週間、東京渋谷のアートギャラリー道玄坂で山本弘展を企画している。その折り配布するちらしの文章を書いた。 山本弘はふつう絵に描きにくいものをしばしば描いている。霧そのもの(「種畜場」)や、降る雪(…

トキ・アートスペースのいぐち なほ展「n次元」を見る

東京神宮前のトキ・アートスペースでいぐち なほ展「n次元」が開かれている(7月7日まで)。いぐちは1972年東京都生まれ、1996年に学習院大学文学部哲学科を卒業している。2011年にこのトキ・アートスペースで初個展、以来毎年トキ・」アートスペースで個展…

森美術館の塩田千春展「魂がふるえる」を見る

東京六本木の森美術館で塩田千春展「魂がふるえる」が開かれている(10月27日まで)。塩田は1972年大阪府生まれ、1996年に京都精華大学美術学部を卒業している。1996年に渡欧し、現在ベルリン在住。2015年にはベネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館代表を…

小山登美夫ギャラリーの菅木志雄展「測られた区体」を見る

東京六本木の小山登美夫ギャラリーで菅木志雄展「測られた区体」が開かれている(7月20日まで)。菅は1944年岩手県盛岡市生まれ、1968年に多摩美術大学絵画科を卒業し、「もの派」の主要メンバーとして活動したとギャラリーのちらしにある。 「もの派」とい…

ShugoArtsの小林正人展「画家とモデル」を見る

東京六本木のShugoArtsで小林正人展「画家とモデル」が開かれている(7月6日まで)。小林は1957年東京生まれ。東京藝術大学を卒業後、1996年サンパウロビエンナーレ日本代表に選ばれる。1997年渡欧しベルギーを拠点に各地で現地制作を行い2006年に帰国する。…

ギャラリー川船の「夏期正札市」が始まった

東京京橋のギャラリー川船で「夏期正札市」が始まった(7月6日まで)。作品リストを見れば200点が並んでいる。みなとても安い。 目についたものをあげると、小山田二郎が8点もあり、33,000円から21万円までいろいろ揃っている。杉全直の80Pの油彩が238,000円…