小山登美夫ギャラリーの菅木志雄展「測られた区体」を見る

 東京六本木の小山登美夫ギャラリーで菅木志雄展「測られた区体」が開かれている(7月20日まで)。菅は1944年岩手県盛岡市生まれ、1968年に多摩美術大学絵画科を卒業し、「もの派」の主要メンバーとして活動したとギャラリーのちらしにある。
 「もの派」といえば、先月亡くなった関根伸夫、リー・ウーファンが代表的作家だろうが、現在最も活躍しているのは菅だろう。近年国際的に具体協会ともの派の評価がすこぶる高い。それは彼らの流通価格の高騰ぶりに現われている。日本ではまず海外での評価があってようやく国内で評価されるという構図になっている。10年前まで無名だった具体の上前智祐アメリカの美術館で取り上げられた途端、1点3千万円とか5千万円とかの価格が付けられたのも最近の話題だ。

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 なぜ具体やもの派が海外で評価が高いのかと内外の美術市場に詳しい画商さんに問うと、いま世界の美術業界にスターがいない。だったら具体やもの派でも取り上げておこうというスタンスなんだと明かしてくれた。具体が仇花であることはよく分かるし、もの派が世界の新しい潮流になるとも思えない。
 むかし読んだ瀬木慎一さんの著書にも100年もしない期間での画家たちの評価の変遷が指摘されていた。
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菅木志雄展「測られた区体」
2019年6月22日(土)-7月20日(土)
11:00-19:00(日月祝休み)
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小山登美夫ギャラリー
東京都港区六本木6-5-24 complex665 2F
電話03-6434-7225
http://www.tomiokoyamagallery.com
※麻布警察の裏手