東京渋谷のアートギャラリー道玄坂で山本弘展が開かれる(8月19日―8月25日まで)。ここアートギャラリー道玄坂では2017年、2018年に続いて3回目となる。
今回は形がないものを描いた作品を中心に展示したい。霧そのものや、降雨、降雪、薮とか柴垣など。それら不定形のものを描いたのは、山本がアンフォルメルに関心を持ったことがあったからではないか。アンフォルメル風の作品を描いたのではなく、アンフォルメル=不定形と訳して、その不定形=形のないものを独自に描いてみようと思ったのに違いない。そう考えると、昨年展示した「削道AB」のような不思議な絵も少し理解できるように思う。
『ギャラリー ガイド 銀座』8月号に掲載した広告と、DM葉書に使った「雪の三叉路」は、タイトルこそロマンチックだが、作物が何も生えていない冬の畑に降りしきる雪、それも嵐のような雪を描いている。畦道のような細い道がT字路を作り、その角に電信柱が1本立っている。山本はこの荒れたように降る雪そのものを描きたかったに違いない。美しい作品に仕上がっている。
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山本弘展
2019年8月19日(月)-8月25日(日)
11:00-18:00(土曜日は19:00まで、日曜日は17:00まで)
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アートギャラリー道玄坂
東京都渋谷区道玄坂1-15-3 プリメーラ道玄坂102
電話03-5728-2101
http://www.artshibuya.com