2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

マキイマサルファインアーツの小西修展が妖しい

東京浅草橋にあるマキイマサルファインアーツの小西修展が何か妖しい(10月2日まで)。小西は1956年京都府生まれ、1985年に東京芸術大学大学院美術研究科を修了している。はじめ映画等の特殊メイク、特殊造形の会社に入り、1997年に独立して会社を設立、特…

「NHKスペシャル・草間彌生」を見る

9月28日夜、「NHKスペシャル・草間彌生」が放映された。NHKが今年の冬あたりから草間を取材して、イギリスのテイト・モダンでの大規模な回顧展までを追いかけている。 草間はテイト・モダンでの展覧会に向けて100点の大きな絵画を制作している。その制作過…

ギャラリーなつかの塩澤宏信展「妄想内燃機工匠−京橋倉庫−」がおもしろい

東京京橋のギャラリーなつかの塩澤宏信展「妄想内燃機工匠−京橋倉庫−」がおもしろい。塩澤は1962年東京生まれ、1987年に多摩美術大学絵画科油画科陶芸教室を卒業し、翌年同油画科研究生を修了している。 作家の言葉。 「生物」と「内燃機」の持つ、それぞれ…

9月のスカイツリー

定点観測した9月の東京スカイツリー。

十一月画廊の川畑 絵展"Un Profil"が良い

東京銀座7丁目の十一月画廊で開かれている川畑 絵展が良い(10月6日まで)。川畑は1981年神奈川県藤沢市生まれ、2008年東京藝術大学美術学部日本画専攻を卒業している。2009年に横浜馬車道大津ギャラリーで初個展、2010年に十一月画廊で、2011年にギャラリ…

不忍画廊、日本橋へ移転

現代美術で老舗の不忍画廊が東京駅前から日本橋の高島屋横のビルに移転した。東京駅八重洲口の真ん前の路面店だった不忍画廊が、入居していたビルが建て替えられるため新しい場所に移った。ここで45年間も営業していたという。 移転先は日本橋高島屋の右隣、…

ミナミ美術館という美術館があった

もう25年ほど前、秋葉原にミナミ美術館というのがあった。当時秋葉原電気街でも最も大きかった電気製品販売店の一つ、ミナミ電気の最上階がその美術館だった。そのことを松浦理恵子『優しい去勢のために』(ちくま文庫)を読んで思いだした。 松浦のこのエッ…

ギャラリー砂翁の沓澤貴子展を見る

東京の三越前駅近くのギャラリー砂翁で沓澤貴子展が開かれている(9月29日まで)。沓澤貴子は1971年静岡生まれ。武蔵野美術大学大学院美術専攻油絵コースを1998年に修了している。今まで、ガレリアラセン(2001)、Oギャラリー(2002)、かわさきIBM市民文…

日本橋丸善のギャラリーでの「丸善版画特選展」を見る

日本橋丸善の3Fギャラリーで開かれている「丸善版画特選展」を見る。東山魁夷、平山郁夫、加山又造、片岡球子、熊谷守一、千住博、中島千波、小倉遊亀など錚々たる画家たちの版画作品が驚くほどの高額で並んでいる。主な画家の最高額を紹介すると、東山魁夷…

コバヤシ画廊の西成田洋子展「記憶の領域2012」を見る

東京銀座のコバヤシ画廊で西成田洋子展「記憶の領域2012」が開かれている(9月29日まで)。西成田は1953年茨城県生まれ、1987年より東京、水戸、ニューヨークなどでもう30回以上も個展を開いている。 作品は古着や古道具を用いて、それらを縫い合わせ固め着…

ニホンカワウソは「生きている!」か?

雑誌『AERA』9月24日号に"ニホンカワウソは「生きている!」"という記事が載った。本当か? 8月31日に「ニホンカワウソ絶滅」というエントリーを書いたばかりだ。環境省がニホンカワウソを絶滅種に指定したという。本当に生きているのか。で、早速読んでみ…

LIXILギャラリーの磯野迪子展「LOOKING AT WINDOWS」が興味深い

東京京橋のLIXILギャラリーの磯野迪子展「LOOKING AT WINDOWS」が興味深い(9月27日まで)。磯野は1981年東京生まれ、2004年にThe juilliard Schoolダンス科を卒業し、2010年に多摩美術大学工芸学科を卒業、2012年に東京藝術大学美術研究科先端芸術科修士課…

ハメット『マルタの鷹』〜ギンズバーグ「カディッシ 抄」

ダシール・ハメット『マルタの鷹』(ハヤカワ文庫)を45年ぶりくらいに読む。何も憶えていなかったので十分楽しめた。原書が発行されたのが1930年で、当時こんな複雑なハードボイルドが書かれていたことに驚いた。 訳者の小鷹信光の解説が興味深かった。それ…

雑草について

毎日新聞の書評ページのコラム「好きなもの」にグラフィックデザイナーの佐藤晃一が「雑草」と「石」と「空」を挙げている(8月9日)。その「雑草」について、 数年前の早春、近くの道端で2種の小さな花を見つけた。顔を近づけてよく見ると、ほんとうに小…

田中博文『松代藩』を読む

田中博文『松代藩』(現代書館)を読む。これは「シリーズ藩物語」の1冊として出版された。江戸末期の各藩の一覧が巻末に載っているが、その数270を越える。これらを藩ごとに1冊にまとめて出版する広大な計画があるらしい。江戸時代の「藩」に関する大項目…

講談社の雑誌『本』の表紙とコバヤシ画廊の濱田樹里展

講談社のPR誌『本』9月号の表紙が濱田樹里の絵だ。作家の選択と作品の解説は大御所高階秀爾が担当している。濱田樹里は1975年、インドネシア生まれ。愛知県立芸術大学大学院美術研究科を修了している。2003年から毎年銀座のコバヤシ画廊で個展を開いている…

『深夜特急』が書けたわけ

沢木耕太郎『深夜特急』を読んで、旅行をしてから10年も経って、なぜ書くことができたのか考えた。以前書いたエントリー(id:mmpolo:20120906)にも、「細部が充実しているのは詳しいメモも取っていたのだろう」と書いた。まさにそうだったことが、沢木耕太…

ギャラリー愚伶の西村宣造展「WHO ARE YOU? self-portrait」

東京本郷5丁目のギャラリー愚伶で西村宣造展を見る(9月19日まで)。西村は1943年大阪生まれ、1963年に日大哲学科を中退している。長く銅版画を作っていたという。今回はすべて鉛筆画でほとんど自画像だった。いずれにしろ私は西村の個展を初めて見た。画…

ギャラリイKで吉田理沙展を見る

東京京橋のギャラリイKで吉田理沙展「ancient flower」が開かれている(9月15日まで)。吉田は1985年東京都生まれ、今年多摩美術大学大学院美術研究科を修了した。「群馬青年ビエンナーレ2012」で奨励賞を受賞している。昨年10月に銀座のギャラリー零∞(zer…

飯沢耕太郎が選んだ日本の写真家100人

飯沢耕太郎『深読み! 日本写真の超名作100』(パイ インターナショナル)を読む。写真評論家の飯沢耕太郎が幕末から最近までの日本の写真家100人を選び、各1点を取り上げている。印象に残った7点の写真を年代順にここに引用する。 1904年に撮られた日露戦…

松浦理英子『奇貨』を読む

松浦理英子の新作『奇貨』(新潮社)を読む。私としては満足しなかった。松浦は好きな作家の一人だ。初期の『葬儀の日』『セバスチャン』『ナチュラル・ウーマン』等が好きだった。松浦は作品のなかで、女性主人公をレズビアンでマゾに設定する。マゾという…

セッションハウス・ガーデンの工藤洋子展がすばらしい

神楽坂のセッションハウス・ガーデンの工藤洋子展がすばらしい(9月16日まで)。工藤は1983年東京生まれ、2006年に明星大学造形芸術学科日本画・陶芸専攻を卒業している。2006年にJR奥多摩駅ステーション・ギャラリーで初個展をし、その後奥多摩の画廊で毎…

木田元『ハイデガー拾い読み』を読む

木田元『ハイデガー拾い読み』(新潮文庫)を読む。これは「ニーチェの言葉」とか「ブッダの言葉」のような、著者が適当な文章を選び出し自分に引きつけて勝手な解説を加えたクソ本(失礼)とは断固違う。本書は正確には「ハイデガー講義録拾い読み」だとい…

なぜ精力剤が飲まれるのか

これは「凄十(すごじゅう)」という名の精力剤の新聞広告だ。左端の魅力的な若い女性が「彼、どうやらのんだらしい」と言っている。船員らしい「彼」が手にドリンク瓶を持ち、体中からエネルギーらしきものが迸っている。海中に人魚が浮かんでいて、遠い灯…

沢木耕太郎『深夜特急』をやっと読む

沢木耕太郎『深夜特急』新潮文庫全6巻をやっと読んだ。やっとというのは、このロングセラーをまだ読んでいなかったからだ。平成6年に初版が発行されて、最近までにどれも50刷りを越えている!! 読み始めて1日1冊、日曜日は読まないので6冊を7日間で読…

8月下旬〜9月初旬のスカイツリー

定点観測した8月下旬〜9月初旬の東京スカイツリー。

ワタのイラスト

「二十四節季・七十二候 歳時記カレンダー」を愛用している。名前のとおり二十四節季と七十二候が記されて、短歌や俳句、季節の植物とその解説、イラストが載っている。イラストは割合リアルなものと、デフォルメされたマンガ的なものに分かれる。思うに手近…

ギャラリー ジーの染谷レイコ写真展を見る

外苑前のギャラリー ジーで染谷レイコ写真展「time of me - 3」を見る(9月16日まで)。染谷は1980年埼玉県生まれ。このギャラリー ジーのワークショップで写真を学んだ。使っているカメラはニコンFM2、フィルムはトライX。ふだん渋谷や表参道で声をかけた…

ncaで木村太陽展が始まった

東京八丁堀のnca(nichido contemporary art=日動コンテンポラリー・アート)で木村太陽展が始まった(9月21日まで)。木村は1970年神奈川県生まれ、1995年に創形美術学校研究科を卒業している。1996年〜1998年頃、京橋のギャラリー山口で個展を繰り返して…

反対運動への威嚇

以前、まだ福島原発が壊れる前、山口県の上関原発に対して反対とここに書いた。 ・上関(かみのせき)原発に反対します(2009年9月24日) しばらくして、それに匿名のコメントが付けられた。 同志 2010/09/12 上関原発建設は、日本の二酸化炭素排出量削減の…