日本橋丸善のギャラリーでの「丸善版画特選展」を見る


 日本橋丸善の3Fギャラリーで開かれている「丸善版画特選展」を見る。東山魁夷平山郁夫加山又造片岡球子熊谷守一千住博、中島千波、小倉遊亀など錚々たる画家たちの版画作品が驚くほどの高額で並んでいる。主な画家の最高額を紹介すると、東山魁夷440万円、千住博399万円、片岡球子262万円、平山郁夫178万円などだ。東山、千住の高額ぶりと平山の凋落が目立つ。
 リトグラフが多いが、一部木版画や銅版画、シルクスクリーンもある。さて、版画作品となっているが、これらは正確にはエスタンプだ。エスタンプは「複製版画」と訳される。オリジナル版画との違いは次のとおり。

 オリジナル版画は画家が版画を制作する目的で下絵を描き、版作りと刷り、最終チェックに至るまで作家自身で、または作家の監修によってできあがった作品のこと。これに対してエスタンプとは、作家が版画にすることを意図しないで制作された作品を原画とし、作者または遺族の了解を得て、版画の技法で第三者が制作したもののこと。(「絵画の知識百科」より)

 それにしても東山魁夷の安定した値段と、千住博の高騰が印象に残った。
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丸善版画特選展」
2012年9月19日(水)−9月25日(火)
9:30−20:30(最終日17:00まで)
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丸善日本橋店3Fギャラリー
東京都中央区日本橋2-3-10