絵の値段−千住博と野見山暁治

 10月10日、軽井沢に千住博美術館が開館する。それを記念して銀座の永井画廊で「軽井沢千住博美術館 開館記念展」が開かれている(10月21日まで)。千住は1958年東京都生まれ、1982年東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻を卒業している。1995年ヴェネツィアビエンナーレで優秀賞を受賞した。現在京都造形芸術大学学長をしている。
 永井画廊の個展では20号の滝の絵に18,795,000円の値段が付けられていた。1号あたり100万円弱となる。それに対して、この秋ブリジストン美術館で回顧展が開かれる野見山暁治は1号20万円だから20号では400万円となる。野見山は現在90歳で文化功労者だが、千住の絵の値段は野見山のざっと5倍だ。
 以前講演で野見山が、同じクラスの画家で比べた場合、日本画家の値段は洋画家の10倍だと言っていた。洋画家が100万円なら日本画家は1,000万円というわけだ。その理由は日本画は全国津々浦々にまで顧客がいて多くの需要があるのに、洋画の需要はずっと低いのだと。
 それで大家と言っていい文化功労者の90歳の洋画家野見山が、53歳の日本画千住博の2割の値段に甘んじているわけなのだ。
 ちなみに日本橋高島屋で開かれている開光一の作品の値段は1号あたり5万円だった。意外に安いというのが印象だった。