2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ギャラリー・b. トウキョウの伊勢裕人展

東京京橋のギャラリー・b. トウキョウで伊勢裕人展が始まった(6月4日まで)。伊勢は1973年東京都生まれ。2002年に多摩美術大学美術学部二部絵画学科を卒業している。2003年から本ギャラリーでほとんど毎年個展を開いている。2004年にはVOCA展に選ばれてい…

iGallery DCの亀山尚子展

石和温泉で有名な山梨県石和にあるiGallery DCで亀山尚子展が始まった(6月26日まで)。亀山尚子は1970年静岡県生まれ、1995年に武蔵野美術大学大学院を修了している。大学院在学中の1994年に東京芸術劇場展示室で初個展を開いた。その初個展から非凡な作家…

ギャラリーeitoeikoの江川純太展を見る

新宿神楽坂の住宅街の中にあるギャラリーeitoeikoで江川純太展が開かれている(6月4日まで)。昨年の同じギャラリーでの個展に続いて2度目だが良い作品だ。江川は1978年神奈川県生まれ。2003年に多摩美術大学絵画学科日本画専攻を卒業している。2008年シ…

やくざ小唄と練鑑ブルース

もう40年以上前になるが、横浜の鶴見で屋台のラーメン屋をやっていた。その時の仲間で安ちゃんというのがいた。本名を安藤と言った。安ちゃんは私より1つ上だったが、屋台の仕事に入ってきたのは私より1週間あとだった。そんなことで割と仲が良かった。安…

熊野純彦 編著「日本哲学小史」を読んで

熊野純彦 編著「日本哲学小史」(中公新書)を読んだ。副題が「近代100年の20篇」。熊野純彦 編著とあるように、半分近い分量の第1部「近代日本哲学の展望」を熊野が書いている。第1部の副題が「『京都学派』を中心として」で、福沢諭吉、西周から説き起こ…

文京アートの小山田二郎展

東京八丁堀の文京アート(Fuma Contemporary Tokyo BUNKYO ART)で没後20年・小山田二郎「作品とその関連資料展」が開かれている(5月28日まで)。 小山田は1914年に生まれ、20年前の1991年に77歳で亡くなった。瀧口修造の推薦を受けてタケミヤ画廊で初個展…

「アド街ック天国」の墨田区東あずま

2011年5月7日の「アド街ック天国」で墨田区東あずまが取り上げられた。そのベスト30は以下のとおり。 http://www.tv-tokyo.co.jp/adomachi/110507/01.html 1.がんばる町工場 世界一の自立式電波塔となった東京スカイツリーの麓には、未だがんばる町工場…

読者投票1位のSF「星を継ぐもの」を読んで

SF

2009年に「創元SF文庫を代表する1冊は何か?」という読者アンケートで1位を獲得したというジェイムズ・P・ホーガン「星を継ぐもの」(創元SF文庫)を読む。読み始めてすぐのシーン、月面の岩山を倒れそうになりながら歩く男の姿をかすかに記憶している気が…

石川雷太展とゼロ次元のパフォーマンス

浅草橋のparabolica-bis(パラボリカ・ビス)で石川雷太展が始まった(5月30日まで)。このギャラリーはふだん球体関節人形展とか私の興味の範囲外の展示が多かったし、入場料500円が必要なこともあって来たことがなかった。今回は石川雷太展ということで、…

イナゴとコオロギの違いは何だろう

娘から、父さんコオロギ食べるよね、と言われた。違う、コオロギは食べない、食べるのはイナゴだ。イナゴは稲を食べていてきれいだが、コオロギは植物でも腐植を食べていて不潔な印象がある。だいたいイナゴは食用だがコオロギは虫に過ぎない。確かに娘はイ…

無人島プロダクションのChim↑Pom展「REAL TIMES」

清澄白河の無人島プロダクションでChim↑Pom展「REAL TIMES」が始まった(5月25日まで)。今回の展示は福島原発をテーマにしている。福島原発の近くまで白い服を着て近づいていったり、津波の被災地で大勢でスクラムを組んで気合いを入れたりしている映像が…

真似のできないテクニック

「婦人公論」5月22日号に読者告白が組まれていて「私の扉を開いた忘れられない絶頂感」という何とも(男にとって)魅力的な記事が載っている。「水の刺激で知った初めての感覚」とか「さわやかな彼の意外な一面に……」とか「犬似の男性に見られ、甘えられて…

座・高円寺の劇場創造アカデミー1期生修了上演を見て

東京都杉並区高円寺に「座・高円寺」という劇場がある。これは杉並区立の複合施設で、正式名称は杉並区立杉並芸術会館、2009年に開館した。建物の設計は伊東豊雄、芸術監督は佐藤信だ。施設の開館とともに若い演劇人を育てる「劇場創造アカデミー」を立ちあ…

ウィリアム・モリスの尾田美樹展

表参道の珈琲&ギャラリー ウィリアム・モリスで尾田美樹展が開かれている(5月31日まで)。尾田美樹は1971年神奈川県生まれ、10年ほど前銀座の養清堂画廊で個展を見たことがあった。今回作家からDMを送られてきた。期待して見に行ったが、それは裏切られな…

田中克彦「漢字が日本語をほろぼす」を読んで

田中克彦「漢字が日本語をほろぼす」(角川SSC新書)を読む。私は当用漢字などの漢字制限に反対で、安易に漢字を制限すべきではないと思っているから、このようなタイトルの本は手に取ることもしないのだが、著者が私がもっとも尊敬する言語学者の田中克彦さ…

「英語と日本語のあいだ」を読んで

菅原克也「英語と日本語のあいだ」(講談社現代新書)を読んだ。文部科学省が2013年から高校の英語教育を大幅に変えることを決めたという。新指導要領で名前を「コミュニケーション英語」に変え、会話を主体とし授業も英語だけで行うことにした。そのことを…

ギャラリーMoMo六本木で篠原愛展が始まった

ギャラリーMoMo六本木で篠原愛展「ゆりかごから墓場まで」が始まった(6月11日まで)。篠原は1984年鹿児島県生まれ、2007年に多摩美術大学絵画学科油画専攻を卒業している。卒業した年銀座のギャラリーQでの個展で注目された。私も2008年の個展をこのブログ…

日本語の基盤にアクセントはない

詩人の藤井貞和「日本語と時間」(岩波新書)を読んだ。副題が「〈時の文法〉をたどる」として、古代人が使い分けた過去の表現を分析している。かつては過去を表すのに「き」「けり」など6種もの「助動辞」を使い分けたのが現在では「〜た」一辺倒になって…

晩春の花々

近所の小さな植物園で晩春の花々が咲いている。 クレマチス シャクナゲ ムベ(アケビの仲間) アカシデ マムシグサ

ブリジストン美術館の「アンフォルメルとは何か?」

京橋のブリジストン美術館で「アンフォルメルとは何か?」という展覧会が開かれている(7月6日まで)。副題が「20世紀フランス絵画の挑戦」と刺激的だ。そのちらしの言葉を次に写す。 第二次大戦後のパリで起こった前衛的絵画運動「アンフォルメル」。フラ…

瀬戸照 細密画展が開かれている

銀座2丁目のスパンアートギャラリーで瀬戸照 細密画展が開かれている(5月21日まで)。瀬戸は今年60歳になるという。広告のイラストや絵本、また雑誌などの挿絵を描いてきた。植物や石ころなどを正確で精密に描いている。スーパーリアリズムのイラストレー…

上関原発反対の短歌

5月9日付け朝日新聞歌壇に佐々木幸綱の選で次の短歌が選ばれた。 三 十 年 原 発 反 対 叫 び た る 祝 島 漁 民 意 志 固 き かな (山陽小野田市)浅上 薫風 「以前上関原発に反対します」というブログを書いた私の所にも次のようなコメントが付いたのだ…

死について語る田淵安一

画家田淵安一のエッセイ「イデアの結界」(人文書院)の「荘周の夢」で、田淵が死について記しているくだりがある。それが印象的だった。 やがて50年まえになるが、文化勲章を受章された遺伝学者、桑田義備(よしなり)博士にこのような話をうかがった。博士…

「リア美」第2号のドローイング

針生一郎「戦後日本美術盛衰史」(東京書籍)に地方アンデパンダン展を紹介したくだりがある。 ……そして、福岡、京都、関、飯田、浜松、清水、横浜、高崎、郡山などで、地方アンデパンダン展がこころみられていたこともみのがせない。 あとがきによると、 こ…

名古屋覚の岡本太郎批判

東京都現代美術館で行われた「クロニクル 1947〜1963 アンデパンダンの時代をめぐって」のシンポジウムを聴いた。パネリストが池田龍雄、藤井亜紀、木村勝明さんたちだった。これが面白かった。 最後の客席との質疑応答で、池田龍雄さんに岡本太郎には影響さ…

「アーティスト・ファイル2011」と「MOTアニュアル2011」「MOTコレクション」を見る

4月30日に国立新美術館で行われている「アーティスト・ファイル2011」と東京都現代美術館の「MOTアニュアル2011」それに常設展である「MOTコレクション展」を見た。 「アーティスト・ファイル2011−−現代の作家たち」は8組の作家が取り上げられている。中井…

「デフレの正体」がすばらしい

藻谷浩介「デフレの正体」(角川oneテーマ21)を読んだ。とても面白くて、売れている理由がよく分かった。一番の欠点は題名で、何やら難しそうで損をしているだろう。私も買ってから読むまで3カ月も放置していた。副題が「経済は「人口の波」で動く」という…

シロアリのスウォーミングを撮り逃がした

もう3年、シロアリのスウォーミング(結婚飛行)を撮影し続けている。毎年ゴールデンウィークにそれが見られる。今年は桜の開花が遅かったことから積算温度が上がってないのではないかと、ゴールデンウィークでも後半ではないかと思っていた。それで5月1…

雑誌「ぴあ」の休刊

ニュースが雑誌「ぴあ・首都圏版」の7月21号での休刊を伝えていた。1972年の創刊で39年の歴史だそうだ。80年代には53万部の発行部数だったのが、最近では6万部だという。情報誌の宿命でネットに負けたのだ。「ぴあ」の首都圏版以外の版はとうに休刊になっ…

山口晃の花押

山口晃の第2回個展「借景」が表参道のミヅマアートギャラリーで開かれたのは1999年の9〜10月だった。その時ギャラリーへ行くと山口さんがギャラリーの前の椅子に一人で座っていた。展示を見た後、ギャラリーでもらったカタログを出して、山口さんにサイン…