ギャラリーMoMo六本木で篠原愛展が始まった


 ギャラリーMoMo六本木で篠原愛展「ゆりかごから墓場まで」が始まった(6月11日まで)。篠原は1984年鹿児島県生まれ、2007年に多摩美術大学絵画学科油画専攻を卒業している。卒業した年銀座のギャラリーQでの個展で注目された。私も2008年の個展をこのブログで紹介したらアクセス数が半端ではなかった。
銀座ギャラリーQの篠原愛展を見てほしい(2008年8月28日)
 今回は「ゆりかごから墓場まで」と題された162cm×324cmの大作が1点とあとはドローイングが数点だけだ。大作の完成に1年半をかけているという。
 タイトルの意味は、ギャラリーが用意したテキストによれば、

 今展のタイトル「ゆりかごから墓場まで」という言葉は、戦後イギリス労働党によって提唱された福祉政策と言われていますが、生まれてから死ぬまで安心して生きられる社会を目指したもの、結局は財政を圧迫させ、理想としながらも実現が難しい言葉として生き残っています。しかし篠原がこの言葉から汲みとったものは生と死であり、その間に横たわる安寧の世界ではなく、むしろ内蔵を切り裂くような苦悩の世界として、あるいは生命を育むかけがいのない世界として感受し、常にその先に生と死を見つめて生きる、自らの現実に他なりません。1年半の歳月を注いで完成された大作も、今に至るまで一貫して表現してきた「生と死」を内包するものであり、恐竜と少女を借りて表現された作品は、滅びゆく中での希望を見ることもできます。(原文のママ)

 ちょっと分かりにくい文章だが、篠原愛の描写力は見事なものだ。
       ・
篠原愛展「ゆりかごから墓場まで
2011年5月14日(土)−6月11日(土)
12:00−19:00、日曜・月曜・祝日休み
       ・
ギャラリーMoMo Roppongi
東京都港区六本木6-2-6 サンビル第三 2階
電話03-3405-4339
http://www.gallery-momo.com