雑誌「ぴあ」の休刊

 ニュースが雑誌「ぴあ・首都圏版」の7月21号での休刊を伝えていた。1972年の創刊で39年の歴史だそうだ。80年代には53万部の発行部数だったのが、最近では6万部だという。情報誌の宿命でネットに負けたのだ。「ぴあ」の首都圏版以外の版はとうに休刊になっていた。
 ぴあが発行されるまで、小劇場情報がなかった。小劇場、当時アングラ演劇と言われていた芝居の情報は、どこかの劇団の公演へ行くと入口近くでちらしを配っていた。それ以外は週刊の「日本読書新聞」に掲載されているくらいだった。なぜ日本読書新聞かといえば、この新聞は新左翼系だったし、当時のアングラ劇団は政治的なものが多かったからではないか。
 だからぴあが創刊されてから半年後に国鉄蒲田駅ビルの栄松堂書店で見つけたとき以来、30数年にわたって購読し続けた。最初は表紙も1色刷りだったし、広告もマイナーなギター教室みたいなものが多かった。文字どおりミニコミ誌だった。長く月刊誌だったし。
 購読を始めてから15年くらいたって「はみだしYOUとPIA」というコラムに5月のあほうどりのペンネームで投稿し始めた。この名前は寺山修司の短歌「人生はただ一問の質問にすぎぬと書けば二月のかもめ」のパロディで、私はそんなに格好良くないからあほうどりなのだ。1987年のコダックの卓上カレンダーの5月があほうどりの写真だった。
 20年間でおよそ400本投稿し、160本ほどが掲載された。打率4割! ぴあは2004年に『「はみだし天国」(1)〜はみだしYOUとPIA傑作選1975-1984』という単行本を出版したが、売れ行きが悪かったらしく、(2)(3)は発行されなかった。残念、私は1987年から投稿を始めたのだった。


春風亭昇太師匠が「はみだしYOUとPIA」の選者をしていた頃の私の金昇・銀昇・銅昇作品(2008年2月16日)
5月のあほうどり(2007年10月5日)

「はみだし天国」〈1〉はみだしYOUとPIA傑作選―1975‐1984 (はみだしYOUとPIA傑作選 1 1975-1984)

「はみだし天国」〈1〉はみだしYOUとPIA傑作選―1975‐1984 (はみだしYOUとPIA傑作選 1 1975-1984)