2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧
淀川長治・横尾忠則連続対話『淀川さんと横尾さん』(ちくま文庫)に横尾忠則の絵の描き方が語られている。 横尾は一時期『広告批評』の表紙絵を描いていた。その絵を淀川が話題にする。 淀川 ……あんな表紙売れませんって言っちゃったの。悪いこと言っちゃっ…
東京京橋のギャラリー58で山下耕平展が開かれている(7月2日まで)。山下は1984年兵庫県生まれ、2007年に佐賀大学文化教育学部デザイン専攻を卒業している。東京では、2011年から毎年このギャラリー58で個展を続けていてもう6回目だ。 山下は初め大きな不…
淀川長治・横尾忠則連続対話『淀川さんと横尾さん』(ちくま文庫)を読む。1991年から1993年にかけて3回行われた対談の記録。気が合う二人が言いたいことを言いあっていて楽しく読んだ。 淀川の話。淀川の母が具合が悪くなって、夜中に背中をさすってあげて…
野木萌葱 作『東京裁判』を新国立劇場演劇研修所10期生有志企画が上演した舞台を見た(芸能花伝舎内 新国立劇場演劇研修所 実習室、6月25日)。 ごく簡単な装置。舞台の中央に丸いテーブルが置かれている。それをとり囲む5脚の椅子。芝居が始まると男たちが…
東京神田のアートギャラリー環で野津晋也展「浮かぬ水」が開かれている(7月2日まで)。開廊40周年記念企画IIIと銘打たれている。画廊として力が入っている企画だ。 野津は1969年島根県松江市生まれ、1992年に鳥取大学農学部を卒業した。さらに2000年に東…
東京銀座のSTEPSギャラリーで吉岡まさみ展「secret memory」が開かれている(7月2日まで)。吉岡は1956年、山形県生まれ。1981年に東京学芸大学教育学部美術科を卒業している。1982年に東京のかねこ・あーとGIで初個展、以来同画廊やときわ画廊、巷房など…
東京吉祥寺のギャラリー惺SATORUで「循環−風と水と大地」をやっている(7月3日まで)。これは平体文枝、吉川民仁、山神悦子の3人展。3人のレベルが揃って高く、とても良いグループ展になっている。この3人の関係は? と問うと、ギャラリーで選んだのだという…
R. A. ラファティ『地球礁』(河出文庫)を読む。奇妙なSFだ。以前も『つぎの岩につづく』(ハヤカワSF文庫)を読んだことがあった。『九百人のお祖母さん』(ハヤカワSF文庫)も持っていたが、これは読んだ記憶がない。書棚にもないので、読まないまま手放…
東京京橋の村上画廊IIで柴田和あらかると展が開かれている(6月25日まで)。柴田は1934年生まれ、帝国美術学校(武蔵野美術大学の前身)を卒業。1960年代、美術グループ乱立の時代は堀内康司(実在者)らと一緒に活動していた。1963年、読売アンデパンダン…
いしいひさいち『現代思想の遭難者たち』(講談社学術文庫)を読む。これがとてもおもしろい。1990年代後半に講談社から『現代思想の冒険者たち』全31巻が刊行された。ハイデガーから始まり、フッサール、ウィトゲンシュタイン、カフカ、ニーチェ、マルクス…
東京江東区の木場駅近くのギャラリーCOEXIST-TOKYOで「光波:視覚」展が開かれている(7月3日まで)。ギャラリーのホームページから、 この度、gallery COEXIST-TOKYO では、光波または視覚をテーマとした展覧会「光波:視覚」を開催する運びとなりました。…
東京江東区の木場公園近くのアンドーギャラリーで中沢研展が開かれている(8月6日まで)。中沢は1970年東京生まれ、1994年に多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻を修了している。1992年にINAXギャラリー2で個展を開いた後、ギャラリー現やギャラリー山口…
東京江東区の無人島プロダクションで八木良太展「メタ考古学」が開かれている(6月26日まで)。八木は1980年、愛媛県生まれ。2003年に京都造形芸術大学空間絵隠出デザイン学科を卒業している。今まで無人島プロダクションで何度も個展を開いている。 ギャラ…
講談社 編『東京オリンピック』(講談社文芸文庫)を読む。金井美恵子が『新・目白雑録』で紹介していたから。副題が「文学者の見た世紀の祭典」、40人の作家や評論家が1964年の東京オリンピックについて、当時の新聞や雑誌に寄稿したものを集めたもの。構成…
嵐山光三郎『漂流怪人・きだみのる』(小学館)を読む。きだみのるは、戦前、山田吉彦の本名で『ファーブル昆虫記』(岩波文庫全10巻)を林達夫と共訳し、戦後は『気違い部落周游紀行』がベストセラーになって映画化もされた作家だ。その映画は私も小学生…
東京世田谷のギャラリーHANA下北沢で新井コー児展が開かれている(6月26日まで)。新井は1973年群馬県高崎市生まれ。1996年多摩美術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業している。2000年に高崎シティギャラリーで初個展、2004年から銀座のなびす画廊で2014年…
東京銀座のうしお画廊で深沢軍治展が開かれている(6月25日まで)。うしお画廊開廊記念IIとあり、淀井彩子展に次ぐ第2弾に選ばれた。深沢は1943年山梨県生まれ、毎年精力的に個展を開いている。 今回は100号のキャンバスを2枚横に並べた大作を出品してい…
吉本隆明『なぜ、猫とつきあうのか』(講談社学術文庫)を読む。インタビューアーの質問に答えて吉本が猫について語っている。吉本家は多くの猫を飼っていたようだから、猫についてしゃべらせようと企画したのだろう。末尾に解説にかえて、として娘の作家吉…
杉本鉞子著・大岩美代訳『武士の娘』(ちくま文庫)を読む。杉本鉞子は明治6年、越後長岡藩の家老の家に生まれ、武士の娘として厳格に育てられた。兄の友人と結婚してアメリカに渡り、2人の娘を出産して育てるが、帰国の途次夫を亡くし以後日本で暮らす。し…
娘がネットで購入した品代を私が立て替えていた。それを大きな札で支払ってくれるというので釣りが必要になったが、手許に100円硬貨がなかった。しかたなく貯金箱から数枚の100円玉を出して娘に渡そうとした。父さん、これ違うよ、100円じゃないよ。何を言っ…
先ごろ、長野県飯田市が全国で一番焼肉屋が多い町として紹介された。人口1万人当たりの焼肉屋の数が、2位北海道北見市、3位三重県松阪市を抜いて飯田市が全国1位だという。飯田市ではコンビニの数より焼肉屋が多いそうだ。なぜ長野県の小さな町がトップなの…
講談社文芸文庫 編『「現代文学」月報集』(講談社文芸文庫)を読む。1970年代前半、日本の当時の現代作家の代表作を集めた講談社の全集39巻の月報をまとめている。58名の作家をそれぞれ知人友人編集者たちが紹介し、その他「戦後I」と「戦後II」に取り上げ…
東京京橋のギャラリー椿で富田有紀子展が開かれている(6月11日まで)。富田は1958年東京生まれ。1980年女子美術大学芸術学部絵画科洋画専攻を卒業している。2013年には練馬区立美術館で個展が行われた。 富田は果物などを透明感のある美しい色彩で描いてき…
長く続いた銀座の名物画廊「みゆき画廊」が建物の建て替えのため3月一杯で閉廊し、その画廊主の牛尾京美が新しく「うしお画廊」を6月1日にオープンした。オープン記念展はみゆき画廊の常連だった淀井彩子で、今回初めて版画作品を展示している(6月11日…
金井美恵子『新・目白雑録』(平凡社)を読む。このシリーズも6冊目となったが、朝日新聞出版のPR誌『一冊の本』の連載が昨年9月号で終わり、これが最終巻ということになる。『一冊の本』は金井を読むために定期購読していたので、次回の定期購読を更新する…
中沢新一『熊楠の星の時間』(講談社選書メチエ)を読む。中沢が行った南方熊楠に関する5回の講演を記録したもの。熊楠に関するものとはいえ、講演録なので言葉はやさしく読みやすい。しかし、テーマが熊楠の特異な思想を取り上げているので内容はかなり難し…
中島みゆきの「歌姫」が好きで何度も聴いている。『寒水魚』というアルバムの中の1曲だ。その歌詞の一節「握りこぶしの中に/あるように見せた夢を/もう2年もう10年/忘れ捨てるまで/スカートの裾を/歌姫 潮風になげて/歌姫 夢も悲しみも欲望も/歌い流…
パソコンの前で胡坐(あぐら)を組むと猫が寄ってくる。胡坐の中へ入ってきて丸くなって寝る。鋭角に折り曲げた私の左の膝の内側に頭を押しつけて、顔を太ももの下に押し込んで、自分から何も見えないっていう姿勢になる。こちらも目いっぱい頼られているよ…
東京文京区本郷で古茂田杏子展が開かれている(6月8日まで)。古茂田杏子は1946年生まれ、両親とも画家で、父が古茂田守介、母が美津子、2012年に目黒区立美術館で古茂田守介+古茂田美津子展が開かれた。 画廊が発行している「ぐれい・にゅうす」VOL.216…
東京上野池之端のSTORE FRONTの大川祐展「INSIDE/OUTSIDE」を見る(6月4日まで)。大川は1970年東京生まれ、2003年から3年間ギャラリイKで個展をし、その後数カ所のギャラリーで個展を開き、2013年にはここSTORE FRONTでも個展をしてきた。今まで平面作家…