東京上野池之端のSTORE FRONTの大川祐展「INSIDE/OUTSIDE」を見る(6月4日まで)。大川は1970年東京生まれ、2003年から3年間ギャラリイKで個展をし、その後数カ所のギャラリーで個展を開き、2013年にはここSTORE FRONTでも個展をしてきた。今まで平面作家としての大川を見てきたように思う。今回はちょっと違っていた。
STORE FRONTは小さな書店にギャラリーを併設しているような空間だ。以前はギャラリーが広かったが、最近はギャラリー意外の事務所と書店部分が広くなっていて、ギャラリーとしての空間は狭いくらいだ。そのためか、大川は今回インスタレーションを展開している。4面の壁面に緑色に塗った木を設置している。それは平面に線状に塗られた抽象絵画のようにも見える。
大川は持ちこんだ棒状の材を使って画廊空間を作品そのものに変えたのだ。もし購入してくれた人がいて、その人の家などに白い壁があったら、その空間に合わせて作家が設置するでしょうと画廊のオーナーが言っていた。1本1本の棒状の材はそれだけでは作品として自立しづらいかもしれない。しかし空間に合わせて作家が設置すれば、十分作品として成り立つのではないか。
空間そのものを抽象的な造形にのみ利用している。それ以外に特段の意味はない。なかなか面白い空間の使い方だと思った。
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大川祐展「INSIDE/OUTSIDE」
2016年5月25日(水)〜6月4日(土)
13:00〜19:00(5/29〜5/31休廊)
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STORE FRONT
東京都台東区池之端2-1-45 パシフィックパレス池之端#103
電話03-3824-1944
http://www.storefront-art.com