ギャラリー惺SATORUの3人展「循環−風と水と大地」を見る

 東京吉祥寺のギャラリー惺SATORUで「循環−風と水と大地」をやっている(7月3日まで)。これは平体文枝、吉川民仁、山神悦子の3人展。3人のレベルが揃って高く、とても良いグループ展になっている。この3人の関係は? と問うと、ギャラリーで選んだのだという。

 平体は1966年、石川県生まれ。1989年に筑波大学芸術専門学群美術専攻を卒業している。今まで、なびす画廊、Oギャラリー、千空間、ギャラリー砂翁、ギャラリー福果、ギャラリーカメリアなど、各地の画廊で個展を開いている。2002年には文化庁派遣でベルギーに滞在し、2007年には損保ジャパン東郷青児美術館の「DOMANI−明日展」に、2015年には損保ジャパン日本興亜美術館の「クインテットII−五つ星の作家たち」にも参加している。

 吉川は1965年、千葉県生まれ。1991年武蔵野美術大学大学院造形研究科油絵コース修士課程を修了している。1995年文化庁インターンシップ研修員。1990年に鎌倉画廊で初個展をして以来、同画廊やギャラリー覚日本橋高島屋美術画廊Xなどで個展を重ねている。2012年には川村記念美術館の「抽象と形態」にも選ばれて参加した。またスイスのアートバーゼルやNICAFに何度も出品をしている。

 山神は香川県生まれ、生年は明らかにしていない。御茶の水女子大学家政学部を卒業している。数年をアメリカ、スイスで暮らし、帰国後大石洋次郎に油彩を、黒田克正にクロッキーを習っている。個展はGアートギャラリーやかねこあーと、ガルリSOL、ギャラリーGANなど、30回近く行ってきた。1998年にはマケドニアで、2000年にはブルガリアで滞在制作を行っている。2012年にはベルギーの「Slick contenmporary art fair」に参加している。
 今回3つの壁面に3人が大きな作品を2点ずつ、もう一つの壁面に小品を並べている。展覧会のタイトル「循環−風と水と大地」は、3人の作風に自然に触発されて制作しているという共通点を見出して画廊が提案したのだろう。3人の作品がそれぞれ異なりながらも、一つのスクールと言われても不思議はないほどの共通点を持っており、企画した画廊主の見識を称えたい。
 初めて入った画廊だったが、開廊16年とのことで、今まで一度も足を運んだことがなかったのを愧じた。吉祥寺駅公園口またはアトレ西口から徒歩7分、小さいながら良い空間だった。
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「循環−風と水と大地」
2016年6月18日(土)―7月3日(日)
12:00―19:00(最終日17:00まで)
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ギャラリー惺SATORU
東京都武蔵野市御殿山1−2−6 地下1階
電話0422−41−0435
http://gallerysatoru.com/