ギャルリー東京ユマニテの富田菜摘展を見る

 東京京橋のギャルリー東京ユマニテで富田菜摘展「古き良きものたち」が開かれている(4月20日まで)。富田菜摘は東京生まれ、2009年に多摩美術大学絵画学科油画専攻を卒業している。2007年よりここ東京ユマニテで今回で7回の個展を開いている。そのほか、日本橋高島屋美術画廊Xや新宿高島屋美術画廊、佐藤美術館などで数多くの個展やグループ展に参加している。

 ギャラリーのホームページより、

富田の代表的な作品は、自転車やキッチン用品、電子機器などの金属廃材で作られたキュートで愛らしいカメやサル、鳥、恐竜など動物の立体作品で、大きいものは約2m、中にはキャスター付きの椅子をそのまま仕込み、上に乗って動かすことができる作品もあります。

富田が金属廃材の作品と並行して発表しているのが、新聞や雑誌の切り抜きを使った人物作品です。流行や社会現象など時代を表すメディアである新聞や雑誌で、その時々の人物像を発表してきました。今回は、1階と地下の2会場でそれぞれの作品群を展示いたします。

 

1階では「古き良きものたち」と題した動物作品の新作展を開催いたします。

古いミシンやタイプライターを使用した鳳凰、茶釜のガマガエルや花鋏の鳥、アルトサックスと羽釜を使用したバクなど、歴史が刻まれた様々な金属廃材のパーツを組み合わせて制作した表情豊かな動物の立体作品約15点を発表いたします。

 

地下で展示する人物作品は「密やかな棘」。

新聞紙を用いて制作した人物像には、その人物の特徴を表すような言葉が記事からコラージュされています。今回はその人物にとって“少しだけ自分を強くしてくれる特別な何か”にのみ色が使われた23点の新作を壁一面に展示いたします。

 

 さすがに手慣れたもので、作品をよく見れば、こんな金属廃材が使われている! と驚くばかりだ。飲料のアルミ缶の蓋を鳥の羽に使ったり、メジャーを鳥の尾にしたり、ハサミがトサカと嘴になっているなど、その自由さには感嘆するばかりだ。また鹿の足になったスピーカーなど、まさに自在な作風だ。

 地下の人物像も面白かった。

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富田菜摘展「古き良きものたち」

2024年4月1日(月)-4月20日(土)

10:30-18:30(日曜日休廊)

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ギャルリー東京ユマニテ

東京都中央区京橋3-5-3 京栄ビル1F & B1F

電話03-3562-1305

https://g-tokyohumanite.com