岩淵悦太郎 編著『悪文』(角川ソフィア文庫)を読む。副題が「伝わる文章の作法」とあり、岩淵ほか7名が分担してわかりやすい文章について書いている。見出しを拾うと「悪文のいろいろ」「構想と段落」「文の切りつなぎ」「文の途中での切り方」「文の筋を通す」「修飾の仕方」「言葉を選ぶ」「敬語の使い方」とあり、最後に「悪文をさけるための五十か条」で箇条書きにまとめている。
ほとんど分かっていることばかりだと思って読み進んでいたが、「言葉を選ぶ」の章で、ちょっと自信がなくなり、「敬語の使い方」で自分は敬語についてちっとも分かっていないと反省した。敬語のテストがあったら50点取れるかどうかかもしれない。そういう意味で参考になったのだった。
ただ、原著である日本評論社の単行本の初版は1960年だとのことで、もう64年も前になる。だから例文がきわめて古い。半世紀も経てば言葉も変わっているだろう。そういう意味ではあまり参考にならないとも言える。