2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

コバヤシ画廊の村上早展を見る

東京銀座のコバヤシ画廊で村上早展が開かれている(10月5日まで)。村上は1992年群馬県生まれ。2014年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科版画専攻を卒業し、2017年同大学大学院博士後期課程中退。2016年ワンダーウォール都庁で初個展、ついでコバヤシ画廊、…

「トークン アートセンター プレオープン展」と、ギャラリー ハイドランジアの石川真衣個展を見る

東京墨田区曳舟のトークン アートセンターでプレオープン展が開かれている(10月14日までの土日祝のみ)。墨田区の曳舟駅界隈に新しい画廊が集まってきた。数年前からのあをば荘、去年オープンしたTOWED、最近オープンした文華連邦などだが、今度トークン ア…

nohakoのさとう陽子展「世界と、そのままに紡ぐ」を見る

東京江古田のギャラリーnohakoでさとう陽子展「世界と、そのままに紡ぐ」が開かれている(10月13日までの金・土・日)。さとうは1958年東京生まれ。1981年に日本大学芸術学部美術学科を卒業している。1986年から毎年様々なギャラリーで個展を開いて活発に活…

東京画廊+BTAPの菅木志雄展2ndを見る

東京銀座の東京画廊+BTAPで菅木志雄展2ndが開かれている(10月5日まで)。大きな作品は1994年制作のもの。ほかに1stでも展示していた小品が3点奥の小スペースに展示してあって、こちらは1983年制作のもの。 東京画廊は3回に渡って菅の過去の作品を展示すると…

高橋秀実『悩む人』を読む

高橋秀実『悩む人』(文藝春秋)を読む。副題が「人生増段のフィロソフィー」とある。高橋は読売新聞の「人生相談」の回答者をつとめていたことがあった。本書はその時の相談と回答に、『文学界』に連載したエッセイ「悩む人」を組み合わせたもの。読売新聞…

ギャラリーなつかの「たまびやき」を見る

東京京橋のギャラリーなつかで「たまびやき」展が開かれている(9月28日まで)。「たまびやき」は、毎年ギャラリーなつかで開かれる多摩美術大学工芸学科/陶/選抜作品展だ。今年は女性作家6人が選ばれている。 まず石井藍子が面白かった。石井は1997年、千…

中村稔『回想の伊達得夫』を読む

中村稔『回想の伊達得夫』(青土社)を読む。伊達は書肆ユリイカの社主で、雑誌『ユリイカ』を創刊し、多くの戦後詩人を世に出した。ただし、現代の『ユリイカ』は別会社の青土社が発行している。 中村稔は詩人で弁護士、処女詩集『無言歌』を書肆ユリイカか…

アイザック・アシモフ『ファウンデーション』を読む

SF

アイザック・アシモフ『ファウンデーション』(ハヤカワ文庫)を読む。「銀が帝国興亡史」シリーズの1冊目、文庫で7巻全11冊の膨大なシリーズだ。壮大な宇宙叙事詩とある。文庫の巻末の宣伝文を7巻分つなげて書けば、 第1銀河帝国の滅亡を予測した天才科学者…

TOWEDの「CAVE」展を見る

東京墨田区京島のギャラリーTOWEDで「CAVE」展が開かれている(9月29日まで)。参加作家はうえだあやみ、衣真一郎、時山桜、石渡由菜の4人。ギャラリーのちらしから、 対象(風景、物体、もしくは出来事)をもとに、それが作品として再び現れるとき 視覚的情…

片山杜秀『革命と戦争のクラシック音楽史』を読む

片山杜秀『革命と戦争のクラシック音楽史』(NHK出版新書)を読む。2019年4月~6月、朝日カルチャーセンターで行われた講座「クラシック音楽で戦争を読み解く」の内容を再構成したもの、とある。ところどころ講義中を思わせる言葉遣いが残されているのは、片…

eitoeikoの千葉大二郎個展「期待される人間像」を見る

東京神楽坂のeitoeikoで千葉大二郎個展「期待される人間像」が開かれている(10月5日まで)。千葉は1992年鹿児島県奄美生まれ、2014年多摩美術大学絵画科日本画専攻を卒業し、2016年に東京藝術大学大学院美術研究科修士課程日本画専攻を修了している。つい最…

ギャラリーなつかの山羊蔵展を見る

東京京橋のギャラリーなつかで山羊蔵展が開かれている(9月21日まで)。山羊蔵は1989年東京都生まれ。2013年女子美術大学芸術学部工芸学科〔陶〕卒業、2015年同大学大学院修士課程工芸研究領域〔陶〕を修了している。2015年にギャラリーQで初個展。 山羊蔵は…

ex-chamber museumの鈴木知佳・鈴木のぞみ展「Monologue of the Blank」を見る

東京外神田のex-chamber museumで鈴木知佳・鈴木のぞみ展が開かれている(9月29日まで)。鈴木知佳は1982年生まれ、東京造形大学大学院を修了している。鈴木のぞみも東京造形大学の同級生だった由。 一見地味な作品が展示されている。ギャラリーに置いてある…

東京画廊+BTAPの菅木志雄展1stを見る

東京銀座の東京画廊+BTAPで菅木志雄展1stが開かれている(9月14日まで)。大きな作品は2000年制作のもの。ほかに壁面に合板と枝の小品が3点展示してあって、こちらは1983年制作のもの。 東京画廊は3回に渡って菅の過去の作品を展示するという。今回がその第1…

山内昌之・細谷雄一 編著『日本近現代史講義』を読む

山内昌之・細谷雄一 編著『日本近現代史講義』(中公新書)を読む。昨日読み終えて今朝の新聞を見たら半五段の大きな広告が載っていた(朝日新聞)。新書1冊だけの広告としては異例の扱いだ。“これぞ最新、最前線の「令和の日本史」!”とある。 14人の著者が…

資生堂ギャラリーの遠藤薫展を見る

東京銀座の資生堂ギャラリーで遠藤薫展が開かれている(9月22日まで)。これは第13回Shiseido art eggの一環で、今村文、小林清乃と3人が選ばれて順次個展をしている。のちにこの中からグランプリが選ばれる。 遠藤は1989年大阪府生まれ、2013年に沖縄県立芸…

井上ひさし『二つの憲法』を読む

井上ひさし『二つの憲法』(岩波ブックレット)を読む。二つの憲法とは、明治22年に発布された大日本帝国憲法と、昭和21年に公布された日本国憲法だ。井上はこの二つの憲法を比べている。 大日本帝国憲法について、井上が解説する。天皇は帝国議会を開会した…

スタニスワフ・レム『ソラリス』を読む

SF

スタニスワフ・レム『ソラリス』(ハヤカワ文庫)を読む。沼野充義による新訳だ。旧訳もハヤカワ文庫だったが、飯田規和はロシア語からの重訳だった。『ソラリスの陽のもとに』という題名で1965年に訳出された。私も1970年代に読み、強烈な印象を与えられた…

岡田暁生『音楽と出会う』を読む

岡田暁生『音楽と出会う』(世界思想社)を読む。第1章「音楽は所有できるのか?」を読み始めて、この読書は失敗だったと思ったが、章の終りに「My songがOur songになるとき」という小見出しがあって、伝説的な《ケルン・コンサート》のレコードの大ヒット…

堀啓子『日本近代文学入門』を読む

堀啓子『日本近代文学入門』(中公新書)を読む。副題が「12人の文豪と名作の真実」とある。「真実」というのはちょっとオーバーだが、内容は面白かった。6つの章でテーマを立て、2人の作家を比較していてそれが成功している。 近代小説が落語家の三遊亭円朝…

練馬区立美術館の坂本繁二郎展を見る

東京練馬区の練馬区立美術館で坂本繁二郎展が開かれている(9月16日まで)。「没後50年」とある。青木繁と久留米で同級生だったが、青木が若くして亡くなった後、58年も長生きして、文化勲章も受賞した。 坂本については、梅野満雄が書いた青木繁の伝記が強…

巷房の作間敏宏展「colony」を見る

東京銀座の巷房で作間敏宏展「colony」が開かれている(9月14日まで)。3階の巷房1では名前がたくさん書かれた平面作品が、また壁に並べられたタブレットには人の名前が列挙されて下からスクロールし、鮮明な画像やぼやけた画像が映っている。 また地下の…

ギャルリー東京ユマニテbisの安田萌音個展「Vestiges」を見る

東京京橋のギャルリー東京ユマニテbisで安田萌音個展「Vestiges」が開かれている(9月7日まで)。安田は1992年神奈川県出身。2015年に多摩美術大学日本画専攻を卒業し、2017年に同大学大学院博士前期課程絵画専攻を修了している。2016年にこの画廊で初個展、…

うしお画廊の石井紀湖展を見る

東京銀座のうしお画廊で石井紀湖展が開かれている(9月7日まで)。石井は以前はギャラリー山口で発表していたが、山口が閉廊したあとはみゆき画廊で個展を開いていた。今回は久しぶりにうしお画廊での発表だが、うしお画廊はみゆき画廊が発展したものなのだ…