巷房の作間敏宏展「colony」を見る

f:id:mmpolo:20190904133816j:plain

f:id:mmpolo:20190904134014j:plain


 東京銀座の巷房で作間敏宏展「colony」が開かれている(9月14日まで)。3階の巷房1では名前がたくさん書かれた平面作品が、また壁に並べられたタブレットには人の名前が列挙されて下からスクロールし、鮮明な画像やぼやけた画像が映っている。
 また地下の巷房2では映像作品が上映されている。最初に掲げたDM葉書がその映像だが、これには2種類あって、男バージョンと女バージョンがある。いずれも100人の男あるいは女を動画撮影し、それをひとつの映像作品に重ね合わせたものだ。皆何かつぶやいているが、その音声も重ね合わされている。すると、DM葉書にあるような誰とも分からないがどこか見知ったような顔になる。
 地下の巷房階段下には大きなパネルに名前が映し出されている。

f:id:mmpolo:20190904134040j:plain

f:id:mmpolo:20190904134057j:plain

f:id:mmpolo:20190904134118j:plain

f:id:mmpolo:20190904134145j:plain

f:id:mmpolo:20190904134206j:plain

f:id:mmpolo:20190904134222j:plain

f:id:mmpolo:20190904134235j:plain


 展覧会タイトルのcolonyは集団としての人々を表しているのだろうか。人は社会という集団colonyの中に生まれて生きている。それを離れて生きていくことはできない。人の環境世界はまず社会なのだ。作間の展示はいつもそのような根源的な事実を提示してくれる。日常生活の中に埋もれて気づかないで暮らしているわれわれの「生」の底にある構造を写し出して見せてくれる。作間のインスタレーションはある種の還元作用なのではないだろうか。
     ・
作間敏宏展「colony」
2019年9月2日(月)-9月14日(土)
12:00-19:00(最終日17:00まで)日曜休廊
     ・
巷房(3階+地下1階+階段下)
東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル3FとB1F
電話03-3567-8727
http://gallerykobo.web.fc2.com/