2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ギャラリイKの内山翔二郎展に圧倒される

東京京橋のギャラリイKの内山翔二郎展を見る(2月9日まで)。内山は1984年神奈川県生まれ、2008年に日大芸術学部彫刻コースを卒業、2010年同大学大学院芸術研究科博士前期課程彫刻分野修了。2010年にギャラリイKで初個展、2012年にプラザギャラリーで個展…

「書物シリーズ」第6弾『書物審問』を読む

赤城毅『書物審問』(講談社ノベルズ)を読む。「書物シリーズ」の第6弾という。これを読んだのは、昨年末の毎日新聞の「今年の3冊」という企画で、加藤陽子が本書を挙げていたからだ。ほかの2冊は松本三和夫『科学技術に潜む危機』(岩波新書)と沢井実…

西洋近代絵画の贋作を扱った『偽りの来歴』を読む

レニー・ソールズベリー/アリー・スジョ『偽りの来歴』(白水社)を読む。副題が「20世紀最大の絵画詐欺事件」と言い、そのとおりの内容のノンフィクションだ。絵画の真贋判定で「来歴」が重視されるというヨーロッパ美術界の常識がある。本書の主人公とも…

霜柱と冬の花

霜柱が立っていた。『俳句歳時記』(角川ソフィア文庫)によれば、「霜柱を何の不思議もなく見ているがこれほど盛んに霜柱が立つのは世界中でも日本だけで、特に関東ローム層地域に顕著である」とあった。私の田舎の長野県南部でも、山あいなど赤土地帯に背…

ペーターズギャラリーの立澤香織とOPPOの佐藤恵美展

案内をもらっていたので、神宮前のペーターズショップ&ギャラリーへ「EROIE」というグループ展を見に行く。ここは1997年に亡くなった当時売れっ子だったイラストレーターのペーター佐藤の住居兼仕事場だったところ。地下鉄明治神宮前駅を出て、明治通りを新…

鉄斎のきつい言葉

37年前に『日本の名画 富岡鉄斎』(中央公論社)という画集を買った。そこに鉄斎の写真が載っていた。記念写真のようで、鉄斎たち5人の老人が並んでいる。写真の上に鉄斎の字で彼らの名前が書かれていて、右から内藤湖南、鉄斎、羅雪堂、犬飼木堂、長尾雨山…

枝香庵の石井一男展を見る

東京銀座3丁目のギャラリー枝香庵で石井一男展が開かれている(1月27日まで)。石井一男は1943年神戸市生まれ、神戸のギャラリー島田で繰り返し個展が開かれ、テレビ「情熱大陸」に紹介され、後藤正治が『奇蹟の画家』(講談社)で取り上げてから大ブレー…

地震雲による地震予知が的中した

北陸地震雲予知研究観測所の上出孝之所長が、1月8日に地震雲を観測した結果、1月10日から11日以内(+2日)に東北から関東で震度4〜6の地震が起きる恐れがあると予測した。 3・11直前の三陸沖地震を的中させた北陸地震雲予知研究観測所の上出孝之所…

吉行淳之介・開高健『対談 美酒について』から

吉行淳之介・開高健『対談 美酒について』(新潮文庫)を読む。酒を飲みながら半ば酔っての対談だから、いささか品が悪いのは仕方ないかもしれない。そのゴシップめいたエピソードを、 開高 韓国の人は、私もある作品に書いたけれど、素晴らしい皮膚をもって…

旧中川の土手の黄色いもの

旧中川の枯草に覆われた、しかし陽当たりの良い土手に小さな黄色いものが見えた。近づいてみる。 もちろんタンポポだった。枯草に埋もれて咲いているのは花柄が短いせいだ。寒さに耐えて花までがロゼット状だった。 ロゼットとは、『写真で見る・植物用語』…

東京都写真美術館で「この世界とわたしのどこか」展を見る

東京都写真美術館で「この世界とわたしのどこか」展が開かれている(1月27日まで)。副題が「日本の新進作家 vol. 11」5人の写真家が取り上げられている。菊地智子、田口和奈、笹岡啓子、大塚千野、蔵真墨だ。ちらしに主宰者の主旨が書かれている。 東京都…

「DOMANI・明日展2013」を見る

国立新美術館で「DOMANI・明日展2013」を見る。副題が「未来を担う美術家たち・文化庁芸術家在外研修の成果」となっている。ちらしから、 文化庁により派遣され海外研修を行った作家の発表の場である「DOMANI・明日展2013」は、今回で15回目を迎えることにな…

さまざまな情報

街にはさまざまな情報が流れている。 「家出人相談センター」は、さすが渋谷 「営業中」と札が下がっているのに入口の扉が閉まっている 朝日新聞に掲載された広告(2011年10月) エレベーターの不思議な表示 男の胸は裸でも許される 休み中の店のシャッター…

枇杷の花咲く

枇杷(びわ)の花が咲いている。ある意味で冬にふさわしい地味な花だ。とは言え、アップで見ればやはりそれなりに華やかな印象もある。 咲 き 揃 ひ 花 と も い へ ぬ 枇 杷 の 花 大西廣海

三浦篤『名画に隠された「二重の謎」』を読む

三浦篤『名画に隠された「二重の謎」』(小学館101ビジュアル新書)を読む。これが意外におもしろかった。印象派前後のころの画家9人の作品を各1点取り上げ、その作品の「謎」を分析している。この手の一見手軽でおもしろそうな外見の新書がそこそこ流行っ…

森美術館の会田誠展「天才でごめんなさい」を見る

雪の成人の日に六本木の森美術館へ会田誠展「天才でごめんなさい」を見に行く。地下鉄を降り地上に出ると雪が降っていた。そのせいだろう、客は少なかった。 会田誠について、展覧会のちらしはこう紹介している。 1965年、新潟県に生まれ、漫画家や小説家、…

ギャラリーなつかの太田三郎展とStepsギャラリーの「北京遭遇」展

東京京橋のギャラリーなつかで太田三郎展「北京散策」が開かれている(1月26日まで)。太田は1950年山形県生まれ、1971年に鶴岡工業専門学校機械工学科を卒業している。私は太田の個展を20年以上見ているが、植物の種子を貼り込んでそれを切手シートの形に…

『日本古書通信』通巻1000号

日本古書通信社が発行する『日本古書通信』が2012年11月月号で通巻1000号を迎えた。ここに作家初版本や草稿、ノートなどの価格が載っている。その古書店の目録から、 ・長崎大絵図(魯西亜船入津之図) 4,500,000円 ・夏目漱石草稿『琴のそら音』(原稿38枚…

うんこを食べる話

今回はいささか尾籠で下品な話なので、嫌いな方は読まない方がいいかもしれない。でも、あえて書くのだから面白さは保証するけれど。 ある時、たまたまテレビのバラエティー番組を見ていたら、タレントの松村邦洋が好きな女優について質問されていた。松村は…

片山杜秀『クラシック迷宮図書館』を読む

片山杜秀『クラシック迷宮図書館』(アルテスパブリッシング)を読む。本書は、雑誌『レコード芸術』に連載した「この本を読め!」をまとめて単行本にしたもの。音楽書の時評という類書のない企画だ。74冊が紹介されている。時評という性格のため、種々雑多…

ジャコメッティと石井好子

以前「開運! 何でも鑑定団」にシャンソン歌手の石井好子がジャコメッティのドローイングを出品した。それは本物で2,000万円の鑑定が付いた。石井好子は、ジャコメッティからはマケットもくれると言われたが断ったと言って、もらってたら今はいくらになって…

山梨俊夫『現代絵画入門』を読む、すばらしい!

山梨俊夫『現代絵画入門』(中公新書)を読む。きわめて優れた現代美術論だ。いままでこの優れた美術批評家を知らなかった不明を恥じる。山梨は長く神奈川県立近代美術館で学芸員をしていた。調べてみたら、同館で行われた田淵安一展も早川重章展もジャコメ…

ガルリSOLの移転と河合勇作展

以前東京銀座6丁目にあった画廊「ガルリSOL」が入居していたビルの取り壊しの通告を受けて、このほど銀座1丁目に移転し、1月7日に新しくオープンした。新しい場所は藍画廊のあるビルの6階になる。 オープン記念は河合勇作展で始まった。河合は1964年神…

新年早々のみずみずしい植物

近所の植物園や小さな河原の土手でみずみずしい新年の植物を撮影した。 カンアオイに蕾が着いていた。開花は2月か。 福寿草の蕾も少し大きくなったようだ。 フキノトウもこんなに大きい。 マルブッシュカン。丸仏手柑の意味だが、なんだか形容矛盾だ。 万両…

大森望『21世紀SF1000』のスタニスワフ・レム評

SF

大森望『21世紀SF1000』(ハヤカワ文庫)は2001年から2010年までの10年間に日本で発行されたSFを取り上げて、『本の雑誌』に時評として連載したもの。「序」に「2001年から2010年まで、21世紀の最初の10年間に出たSF約千冊を刊行順にざっくり紹介したべんり…

東大出版会の美女

東大出版会のPR誌『UP』12月号に加藤寛一郎が「一行に要約できる教科書」というエッセイを書いている。加藤は飛行力学の専門家で東京大学名誉教授、最近東大出版会から『飛ぶ力学』という本を出版した。この本は出版社の販促文によれば、 空を飛ぶものの力学…

平凡社コロナ・ブックスの『松本竣介 線と言葉』を読んで

平凡社コロナ・ブックスの『松本竣介 線と言葉』を読むというか見る。コロナ・ブックス編集部 編となっている。2012年6月初版発行。昨年の神奈川県立近代美術館葉山館の松本竣介展に合わせて発行したのだろう。厚くないページながら代表作は網羅されている…

須藤靖のエッセイ「不ケータイという不見識」がおもしろい

須藤靖が東大出版会のPR誌『UP』12月号に「不ケータイという不見識」と題するエッセイを書いている。これは連載記事「注文(ちゅうぶん)の多い雑文」のその21回目になる。須藤は宇宙論・太陽系外惑星の研究者で、しばしば難解な内容も多いのだけれど、今回…

毎日新聞のコラム「好きなもの」

毎日新聞の日曜日の書評ページに「好きなもの」というコラムがある。毎回著名人が自分の好きなもの3つを紹介している。最近では翻訳家の金原瑞人(11月18日)と俳人の宇多喜代子(11月25日)、画家の池田龍雄(12月2日)がおもしろかった。 まず金原が、好…

吾嬬神社

元旦は墨田区の吾嬬神社にのみ初詣にでかけた。その吾嬬神社については、数年前に詳しく紹介したことがあったので、ここに再掲載しよう。 東武鉄道に亀戸線という小さな支線がある。曳舟から亀戸を結ぶ単線で駅の数が5つだけ。その真ん中が東あずま駅、変な…