ギャラリーなつかの太田三郎展とStepsギャラリーの「北京遭遇」展


 東京京橋のギャラリーなつかで太田三郎展「北京散策」が開かれている(1月26日まで)。太田は1950年山形県生まれ、1971年に鶴岡工業専門学校機械工学科を卒業している。私は太田の個展を20年以上見ているが、植物の種子を貼り込んでそれを切手シートの形にした作品を展示していた。それが徐々に展開して、戦死した兵士の肖像写真や広島の被爆跡を取り込んだ作品を制作してきた。この切手シートの形に展開したのは太田のオリジナルなのだ。最近これを真似た作家が現れたが、このことはきちんと確認しておかなければならない。



 今回はその太田のインスタレーションだ。北京で入手した金魚の凧をもとに版画作品に仕立てている。壁一面に展示された凧は330点を数えるという。
 隣接している小スペースでは切手シート作品が展示されている。金魚の凧や中国の紙幣などが取り上げられている。また画廊の一角にはホウキと植物の実を切手型の紙片に取り込んだ小さな作品が積み上げられている。これは中国で使われているモロコシ(コーリャン)で作られたホウキのようだ。その穂についている実(種子)を切手型の中に取り込んだもの。



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 また銀座4丁目のStepsギャラリーでは「北京散策」展が開かれている(1月26日まで)。こちらは、太田三郎、倉重光則、中津川浩章、永野のり子、吉岡まさみが参加している。2011年に日中韓から各5人の現代作家が参加した展覧会が開かれたが、この5人がその時のメンバー。

 ここには中津川の作品と太田の切手シート作品、それに壁に作られた吉岡の作品を紹介する。

中津川浩章

吉岡まさみ


太田三郎のヘイゼルナッツと0-25の病原菌(中国で罹った食中毒の病原菌)

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太田三郎展「北京散策」
2013年1月10日(木)〜26日(土)
11:00〜18:30(土曜〜17:00)日曜・祝日休廊
ギャラリーなつか
東京都中央区京橋3-4-2 フォーチューンビル1F
http://homepage2.nifty.com/gallery-natsuka/
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「北京遭遇」
2013年1月11日(木)〜26日(土)
12:00〜19:00(最終日〜17:00)日曜休廊
Stepsギャラリー
東京都中央区銀座4-4-13 琉映ビル5F
http://www.stepsgallery.org/