2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

椋鳩十の顔について

コロナ禍で家にこもっていて古い写真を整理していると昔撮った椋鳩十の銅像写真がでてきた。椋鳩十は長野県喬木村出身の童話作家。本名久保田彦穂、1905-1987。母親を早くに亡くし、継母との折り合いが悪く、法政大学文学部卒業後鹿児島の女学校へ赴任し、故…

昆虫を見分けるのは難しい

昨日のブログに人は少ない情報から全体を構成できる能力を持っていると書いた。今日はその反対のことを書いてみる。 アブラムシの分類学者の宮崎昌久さんがかつて動物園協会が発行していた『インセクタリウム』に次のようなことを書いていた。人は犬と猫を一…

マスクを外すとなぜがっかりするのか?

昨日のブログに美醜は眼ではなく口の形で決まると書いた。それに対して友人が「説得力ある文章でうなづきそうになった。でも私の場合、マスクを外すとがっかりすることが多いのは何故?」とコメントしてくれた。 私も同じ経験をしている。有名なYou Tuberの…

マスクで覆った顔は・・・

コロナ禍のためマスクの着用が推奨されている。ほとんどの人がマスクを付けていて、さすがに知人では誰か分からないと言うことはない。しかし、あまり知らない人やテレビでたまに見る人も誰か分からないことが多い。 面白かったのは、美人の知人がマスクをし…

二代目歌川豊国の墓

東京亀戸に光明寺という寺がある。そこに二代目豊国の墓があるというので拝見してきた。二代目豊国は初代歌川豊国に弟子入りし、師の没後二代目を名乗ったが、すでに兄弟子の国貞が二代目豊国を名乗っており、それがためか浮世絵師を廃業しているらしい。国…

高山良策という画家

引き出しを整理していたらノートが出てきて、「高山良策の生涯と作品」という題で土方明司さんが講演したときのメモが書いてあった。2012年2月12日、豊島区西部地区事務所での講演だった。 高山はウルトラマン、ウルトラセブンの制作に関わる。→現代の日本画…

友人の古い手紙

コロナで自宅に蟄居しているので、たまたま古い手紙を見ていた。4月3日のブログに、1972年に友人が恐山へ旅行してそのまま帰って来なかったと書いた。私は友人星秀雄君がシナリオの仕事で順風満帆だったはずだから、お兄さんが考えたような自死はないように…

葛飾の熊野神社へ詣でる

昨日「立石」について書いたので、それに関連して同じ葛飾区立石にある熊野神社を詣でた。神社のHPを見て京成電鉄の青砥駅で降りてやはり中川に沿って行ったが、着いて見れば「立石」の古跡からわずか300mほどしか離れていなかった。 神社の両脇に樹齢300年…

葛飾区の立石様に行く

東京葛飾区に「立石様」という古跡がある。初めてそこに行ってみた。京成立石駅で下車し、本奥戸橋の畔を中川堤に沿って川上へ進む。中川はたっぷりした流れの大きな川だ。古い川筋が残っていて川は大きく蛇行している。 しばらく川に沿って行くと左手に小さ…

トルーマン・カポーティ『ティファニーで朝食を』を見て読む

トルーマン・カポーティ『ティファニーで朝食を』を見て読む。最初にオードリー・ヘップバーンが主演した映画を見た。オードリーの映画は50年以上前に『マイフェアレディ』と『ローマの休日』を見て以来だ。原作は龍口直太郎訳の新潮文庫を35年ほど前に読ん…

AI関連の話題

土曜日の朝日新聞書評にAI関連の書籍の紹介が上下に並んで掲載されていた。瀬名秀明『ポロック生命体』(新潮社)と、谷口将紀・宍戸常寿『デジタル・デモクラシーがやってくる!』(中央公論新社)だ。後者の副題が「AIが私たちの社会を変えるんだったら、…

大林宣彦監督『時をかける少女』を見る

4月10日に大林宣彦監督が亡くなった。私は大林監督の映画を1本も見たことがなかった。あまり興味がなかったから。しかし亡くなってマスコミに追悼記事がいくつも紹介され、巨匠と書いているのもあった。 そんな折、日本テレビが大林作品を放映した。それで初…

タカサゴユリを播いた思い出

昨日このブログに以前ツタバウンランの種を播いて歩いたと書いた。すると友人が「地味で珍しい植物の種子を採取して育て、またその種子をあちこち蒔いて歩く趣味があるとは知りませんでした」とコメントしてくれた。それで思い出したことがあった。ツタバウ…

ツタバウンランとマツバウンラン

この写真はツタバウンランだ。初めて見たのはもう45年前の虎ノ門だった。住宅の一角に観葉植物の鉢の中味を棄てたような場所にこの植物が生えていた。初めて見る植物だった。小学校の5、6年生のときの担任だった宮島光男先生が植物が専門で、身近な植物は教…

長谷川修一『旧約聖書の謎』を読む

長谷川修一『旧約聖書の謎』(中公新書)を読む。副題が「隠されたメッセージ」というもので、旧約聖書の各エピソードの史実性を探りながら、その意味するものを読み解いている。これがなかなか面白かった。 取り上げられているのは7つの物語。ノアの方舟と…

うしお画廊の井上敬一展を見る

東京銀座のうしお画廊で井上敬一展が開かれている(4月18日まで)。井上は1947年、福岡県田川市生まれ。1980年に福岡教育大学美術研究科を修了している。井上は銀座のみゆき画廊で個展をしていたが、みゆき画廊が閉じてからはうしお画廊で個展を開いている。…

藍画廊の瀧田亜子展を見る

東京銀座の藍画廊で瀧田亜子展が開かれている(4月18日まで)。瀧田は1972年東京都生まれ。2年間ほど中国へ留学し書を学んできた。毎年ほぼ2回の個展を繰り返してきた。旺盛な制作意欲を示している。前回は昨年11月にギャラリー古今で開いているから半年ぶり…

古井由吉『半自叙伝』を読む

2月18日に古い由吉が亡くなった。82歳だった。それを機として、毎日新聞(3月29日)と朝日新聞(4月11日)の書評欄に古井についての追悼文が載った。 毎日新聞で富岡幸一郎が書く。 現代日本文学で「小説」というジャンルをこれほど深く広い領域にまで展開さ…

相生坂、赤城坂を歩く

筑摩書房のPR誌『ちくま』に、ほしおさなえが「東京のぼる坂くだる坂」というエッセイを連載している。4月号は「相生坂、赤城坂」と題されて、神楽坂あたりを歩いてスケッチしている。 そのスケッチ=イラストがこれ。イラスト=九ポ堂とある。 右下に神楽坂…

高木佐保『知りたい! ネコごころ』を読む

高木佐保『知りたい! ネコごころ』(岩波科学ライブラリー)を読む。高木は同志社大学心理学部を卒業したあと京都大学大学院に入学し、行動文化学を学んでネコの心理を研究することになった。 高木はネコにエピソード記憶があるか実験する。いくつかのエサ…

eitoeikoの「桜を見る会」に参加した

神楽坂のeitoeikoで「桜を見る会」が開かれている(4月25日まで)。今年はなぜか総理主催の「桜を見る会」が中止されたので、楽しみにしていた人たちのためにeitoeikoの癸生川ディレクターが企画して開催されることになった。近くの矢来公園の桜は散ってしま…

諏訪兼位『アフリカ大陸から世界がわかる』を読む

諏訪兼位『アフリカ大陸から世界がわかる』(岩波ジュニア新書)を読む。同じ著者の『岩石はどうしてできたか』(岩波科学ライブラリー)は難しかった。だが本書は若者向けということなのでだいぶ読みやすい。 まずアフリカ大陸の大きさが東京からオーストラ…

山本弘の作品解説(96)「童(仮題)」

山本弘「童(仮題)」、油彩、F4号(24.3cm×33.5cm) 1976年制作。山本弘46歳。最晩年の作品になる。仮題の童はキャンバスの裏面に誰かの手でそう書いてある。制作年と山本弘の署名は本人の手だ。しかし童が描かれていることは間違いない。戦後あたりの風俗…

絲山秋子『御社のチャラ男』の書評

絲山秋子『御社のチャラ男』(講談社)の書評が朝日新聞に載っていた(3月28日)。書評子は辛口斎藤美奈子、チャラ男について簡単にまとめているが、私の理解しているチャラ男とあまりにもピッタリ合っていて驚いた。 チャラ男の定義は一言ではいえないが、…

司馬遼太郎『この国のかたち一』を読む

久しぶり、20数年ぶりに司馬遼太郎『この国のかたち一』(文春文庫)を読む。1986年から1987年の2年間『文藝春秋』に連載した巻頭言をまとめたもの。結局この連載は10年以上続いたので評判が良かったのだろう。今回読み直してみて改めて司馬の魅力に取りつか…

高校の同級生のこと

3月29日の朝日新聞朝刊を開いて驚いた。高校の時の同級生が大きく取り上げられていた。「Reライフ」というページで、「輝く人 ノンフィクションライター 中澤まゆみさん(71)」とあり、彼女の経歴が詳しく載っている。その経歴、 なかざわ・まゆみ 1949年長…

ギャラリー Jyの染谷玲子展を見る

東京青山のギャラリー Jyで染谷玲子展が開かれている(4月19日まで)。染谷は1980 年、埼玉県生まれ。今回がこのギャラリー Jyでおそらく20回めのくらいの個展になる。私の好きな写真家だ。いつも若い女性のポートレートをフィルムカメラで撮っている。 今ま…

新型コロナウイルスで入院中の渡辺一誠さんの手記

新型コロナウイルス感染で入院中の渡辺一誠さんの手記がすごい。 https://forbesjapan.com/articles/detail/33415 これを読んで本当に外出は控えようという気持ちになった。 入院したら2週間はかかるらしいから。