2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧
東京八丁堀のFUMA コンテンポラリーアート東京|文京アートで「生誕90周年 吉仲太造 回顧そのIX」が開かれている(9月8日まで)。吉仲太造は1928年京都市生まれ、小学校を卒業後京都市立美術工芸学校の受験に失敗する。1946年京都人文学園絵画部(のちの行動…
東京表参道のラットホールギャラリーでレイチェル・ハリソン展が開かれている(9月2日まで)。 ギャラリーのホームページより、 レイチェル・ハリソン(1966年、ニューヨーク生まれ)は、美術史やポップカルチャーなど様々な事象を結びつけながら、多様な素…
東京銀座のうしお画廊で淀井彩子展が開かれている(9月8日まで)。淀井は1966年に東京芸術大学美術学部油画科を卒業し、1968年に同大学大学院油画専攻を修了している。その後フランス政府給費留学生としてパリに留学。2011年まで青山学院女子短期大学芸術学…
山本弘「河原んべ」、油彩、F6号(41.5cm×31.8cm) 1978年制作。山本弘定番のテーマカッパを描いている。素早い筆運びで墨絵のように描いている。足元の四角い枠を跨ぐように両足を踏ん張り、右腕を曲げて左手に蓮の葉でも掲げているのだろうか。薄く地塗り…
朝日新聞 読売新聞 昨日の朝日新聞と読売新聞に毎日ワンズの新刊広告が載っていた。どちらも全5段という大きさで、紹介されている本も同じ2冊。倉田耕一『アメリカ本土を爆撃した男』と津田左右吉『古事記及び日本書紀の研究』だ。しかし、朝日新聞では『古…
講談社文芸文庫編『個人全集月報集』(講談社文芸文庫)を読む。副題が「安岡章太郎全集 吉行淳之介全集 庄野潤三全集」となっていて、この3人の全集に付けられた付録の月報の文章を集めたもの。こんな風に月報がまとめられることは少ないのでとてもありがた…
牛の戀静まるまでを枯野かな テーマ:昊山人俳句匣 ◆昊山人俳句匣◆ 掲出句は、もう三十年近くも前の或る日の偶成である。 場所は中央区の某画廊だった。当時そこが老朽化したビルの狭い二階から何百メートルか先のゆったりした一階のスペースに移転して、画…
山本弘「婦人像」、油彩、F15号(65.0cm×50.0cm) 1977年制作。頭上に大きく空間を取って、女性の顔が中央やや下に描かれている。前回紹介した「母子」の母である山本夫人である愛子さんを描いたものだろう。細長い顔と長い首が彼女の特徴を的確に伝えている…
穂村弘『ぼくの短歌ノート』(講談社文庫)を読む。穂村がおもしろい短歌を取り上げて解説を加えている。穂村が選んだ短歌だからマジ面白い。「コップとパックの歌」とか「賞味期限の歌」とか「高齢者を詠った歌」とか46のテーマに分けてそれぞれ数首を取り…
山本弘「母子」、油彩、F15号(65.5cm×63.0cm) 制作年不明。サインと作風から最晩年のものと思われる。 中央上下に並んで丸が二つ描かれている。これが母と子の顔なのだろう。子の体は顔の右下にあり、母に頭を下げているような、母を慕っているような姿勢…
東京銀座のOギャラリーで岡本里栄展が開かれている(8月26日まで)。岡本は1988年滋賀県生まれ。2012年に成安造形大学芸術学部洋画コースを修了し、2014年京都精華大学芸術研究科博士前期課程を修了している。ふだん大阪で活躍していて、東京での個展は初め…
井原修『句集 天衣一年生』(裏町文庫)を読む。井原は私の高校の先輩で、現在長野県飯田市で裏町文庫藤吾堂という古書店を経営している。若いころは北川透主宰の詩誌『あんかるわ』の同人で詩集を出したりしていた。のちに高校の担任だった俳人矢島渚男に師…
サリンジャー『このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる ハプワース16、1924年』(新潮社)を読む。アメリカでは単行本に収録されていない中短篇を編集したもの。アメリカで収録されていなかったが、日本では何種類かの版で翻訳、出版されていた。本書には8つ…
シネマヴェーラ渋谷でフリッツ・ラング監督特集が行われていた。そこで『死刑執行人もまた死す』を見た。この映画についてWikipediaでは、 舞台はナチス・ドイツ占領下のチェコスロバキアのプラハ。「死刑執行人」の異名でプラハ市民に恐れられていたベーメ…
谷川俊太郎『夜のミッキー・マウス』(新潮社)を読む。2003年に発行された詩集だ。詩集の題名にもなった「夜のミッキー・マウス」、それから「朝のドナルド・ダック」、「詩に吠えかかるプルートー」、「百三歳になったアトム」なんて詩が並んでいる。谷川…
ジョン・ニコルズ『卵を産めない郭公』(新潮文庫)を読む。訳者が村上春樹で、柴田元幸と二人で気に入った小説を選んで訳している「村上柴田翻訳堂」の1冊。村上が気に入っている60年代のアメリカ青春小説で、なかなか面白かった。巻末に村上と柴田の「解説…
最初に三鷹市美術ギャラリーへ行き、「横山操展〜アトリエより〜』を見る。三鷹市美術ギャラリーでは1993年に没後20年を記念して横山操展を開いている。今年は開館25周年であり、昨年横山操未亡人が亡くなってアトリエの調査に入ったのをきっかけに、今まで…
朝日新聞の俳壇に根岸哲也(東京都)の俳句が載っている(8月12日)。選者は高山れおな。 ウ オ ッ シ ャ ブ ル ブ ル ー イ ン ク 買 ふ 茄 子 の 花 「評」の欄で「水洗い可」の横にウオッシャブルとルビが振られている。茄子にも「なす」と。もう25年ほど…
東京銀座の銀座ニコンサロンで小柴一良写真展「小鳥はもう鳴かない」が開かれている(8月28日まで)。小柴は1948年大阪府生まれ、1972年、西川孟写真事務所に撮影助手として入所。その間、土門拳氏の「古寺巡礼1大和編」「女人高野室生寺」の撮影助手を務め…
先日東京四谷三丁目の画廊TS4312を訪うと、画廊主が映画『スティルライフオブメモリーズ』のちらしを渡してくれた。なんで? そのちらしから、 フランスの画家、アンリ・マッケローニの写真集より、一つとして同じものがない女性の肉体の豊かな表情と神々し…
DV(家庭内暴力)について、朝日新聞の「サザエさんを探して」のコラムに過去の事例が紹介されている(2018年8月4日)。それは驚くべきものだ。1969年に朝日新聞に掲載された「サザエさん」ではバス停で夫が妻を殴っている。妻が姑に口答えしたことを夫が咎…
今朝の新聞折り込みに大丸東京店のちらしが入っていた。「盆マルシェ」というタイトルで、訳せば盆市場、まあお盆のセールくらいの意味なんだろう。そのちらしの一部に「紳士用品雑貨量り売りセール」というのがあって、「1g当たりの価格で販売!」と謳って…
東京銀座のギャラリー巷房と巷房2、巷房階段下で、弓良麻由子展が開かれている(8月11日まで)。弓良は1984 年生まれ、日大芸術学部彫刻コースを卒業した後、2009年武蔵野美術大学大学院彫刻コースを修了している。その後ギャラリイKを始め、いくつかのギャ…
東京銀座のOギャラリーで志村冬佳展「隣の机 腕の中で蝶を追う」が開かれている(8月12日まで)。志村は1980年山梨県生まれ。2002年に筑波大学芸術専門学群版画コースを卒業し、2004年に同大学大学院幻術研究科美術専攻を修了している。2001年に牛久の画廊で…
山本弘「銀杏」油彩、F20号(72.5cm x 61.0cm) イチョウの木の根元を描いている。おそらく夜だろう。背景の暗い紺色からイチョウの幹が浮き出ている。暗い紺色に青が混じり幹の輪郭を明るい空色が縁どっている。単純な造形だが、なぜ夜のイチョウを描いたの…
東京初台にある東京オペラシティアートギャラリーでイサム・ノグチ展が開かれている(9月24日まで)。ノグチは1904年生まれ、今から30年前の1988年に84歳で亡くなっている。父が日本人、母がアメリカ人だった。展覧会のちらしから、 ……世界を旅しながら生き…
井上ひさし・作『少年口伝隊一九四五』がとても良かった。演出が栗山民也、新国立劇場演劇研修所公演の朗読劇だ。私は初日の8月1日に見た。朗読劇なので、舞台の上に横1列で12人の役者が並んでいる。演劇研修所第12期生たちだ。音楽は後方にギターの宮下祥…
東京西新宿のケンジタキギャラリー/東京で塩田千春展が開かれている(9月15日まで)。塩田は1972年大阪生まれ、1996年に京都精華大学洋画科を卒業した。その後オーストリアやドイツに留学している。1996年に神田の秋山画廊で初個展。最近は国際的にも活躍し…
田中穣『生きる描く愛する』(婦人之友社)を読む。副題が「42人の名画家物語」とあり、42人の著名画家の作品1点を選びその画家について紹介している。本書は『婦人之友』に平成10年から17年にかけて連載したもの。田中は1925年生まれの美術評論家で長く読売…