東京銀座のOギャラリーで岡本里栄展が開かれている(8月26日まで)。岡本は1988年滋賀県生まれ。2012年に成安造形大学芸術学部洋画コースを修了し、2014年京都精華大学芸術研究科博士前期課程を修了している。ふだん大阪で活躍していて、東京での個展は初めてとのこと。
衣装ケースのようなところに吊り下げられた衣類を描いている。そのマチエールが不思議な感じがした。何で描いているのか訊いてみると、ユポにアキーラで描いているという。アキーラとは水性アルキド樹脂絵具とのこと。ユポのことは知っている。昔三菱油化が開発したのではなかったか。いわゆる紙ではなく、化学合成した合成紙で、身近なところでは選挙の投票用紙に使われている。吸水性がなく、濡れないので風呂で見られる絵本に使われていた。登山用の地図といった用途もあった。
岡本は1年ほど前からユポを使い始めたという。それまで油彩を使っていたが、油彩ではどうしても描き込んでしまう。ユポにアキーラだと早く乾き、描き込み過ぎるのを抑えられて自分にはちょうど良いという。
ユポに描かれた作品は乾いた感じで、筆が速く走っているような筆触で、あまり類似の作品を見たことがないと思われた。一番奥の壁に女の顔に赤い花が重ねられている作品があったが、それは油彩で描いているという。違いは歴然としていて、岡本がユポにアキーラを使うことで成功したことが納得できた。
Oギャラリーは毎日夜8時まで開いているし、最終日も日曜の4時までやっている。
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岡本里栄展
2018年8月20日(月)−8月26日(日)
12:00−20:00(日曜日11:00−16:00)
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Oギャラリー
東京都中央区銀座1-4-9 第一田村ビル3階
電話03-3567-7772
http://www4.big.or.jp/~ogallery/