山本弘の作品解説(83)「婦人像(仮題)」


 山本弘「婦人像」、油彩、F15号(65.0cm×50.0cm)
 1977年制作。頭上に大きく空間を取って、女性の顔が中央やや下に描かれている。前回紹介した「母子」の母である山本夫人である愛子さんを描いたものだろう。細長い顔と長い首が彼女の特徴を的確に伝えている。派手な色彩は使っていないものの、首の一部や髪の一部に山本特有の葱の色が置かれている。それが顔や首や髪に使われている白っぽいベージュと響きあって地味ながら華やかさを演出している。この時愛子さん36歳だった。 
 この少し前の愛子さんの写真。山本弘と娘の湘ちゃんとともに。