東京初台にある東京オペラシティアートギャラリーでイサム・ノグチ展が開かれている(9月24日まで)。ノグチは1904年生まれ、今から30年前の1988年に84歳で亡くなっている。父が日本人、母がアメリカ人だった。展覧会のちらしから、
……世界を旅しながら生き、彫刻をはじめ舞台美術や家具、照明器具などのデザイン、陶芸、庭、ランドスケープ・デザインまで、幅広い制作を行いました。本展は、ノグチが抽象彫刻の分野にあっても常に「身体」を意識し続けたことや、そうした意識が、子供のための遊具デザインや庭、ランドスケープといった人間をとりまく環境への情熱に拡大していったことに着目します。……
ノグチが幅広い活動をしていたことを示そうとする意欲的な展覧会のようだ。会場を細かく仕切って様々な傾向の作品を集めている。そのためかマケットや庭の模型など小さな作品が多い。ノグチって大きな石彫作品が多い印象だったが、小ぶりな作品が多かった。
美術館の容積の問題から、またノグチの仕事の多様さを表わすためにそんな傾向に至ったのだろうか。私はノグチの作品を数多く見てはいないのだが、もっと魅力的な大きな作品があったのではないか。あるいは、これがノグチの姿なのだとしたら、ノグチに対する興味が減じていく。
写真は「2mのあかり」と題された大きな照明器具と、香川県立ミュージアム所蔵の大きな石の彫刻のみ撮影可とあったので撮ってきたもの。
1階上の収蔵品展示場では「うつろうかたち|寺田コレクションの抽象」が開かれている。さすがに難波田龍起が21点と半分を占めている。ほかに現代日本の画家たちの作品が並んでいる。寺田さん、熱い抽象より冷たい抽象が好きみたいだ。収蔵品展のみなら200円の入場券で見ることができる。
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イサム・ノグチ――彫刻から身体・庭へ――
2018年7月14日(土)−9月24日(月)
11:00−19:00(金・土は20:00まで)月曜日休館
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東京オペラシティアートギャラリー
東京都新宿区西新宿3-20-2
ハローダイヤル03-5777-8600
http://www.operacity.jp/ag/