東京西新宿のケンジタキギャラリー/東京で塩田千春展が開かれている(9月15日まで)。塩田は1972年大阪生まれ、1996年に京都精華大学洋画科を卒業した。その後オーストリアやドイツに留学している。1996年に神田の秋山画廊で初個展。最近は国際的にも活躍している日本を代表する現代美術家だ。2016年の神奈川芸術劇場のインスタレーションも強く印象に残っている。
ケンジタキギャラリーでは今年の3月にも個展が開かれた。毛を取ったブラシの木の部分を床に積み上げ、そこへ天井から幾筋もの黒い糸が下がっていた。黒い糸は天井に雲=クラウドのように張り巡らされていた。
今回は大きな平面に黒い糸が張り巡らされている。それはどこか不吉な印象がある。また一辺が長く伸びたピラミッドのような形に赤い糸が無数に絡まっている。何か命を育んでいる生命体を連想した。さらに中に白い糸が張り巡らされた箱には白い糸に絡まって舟形に編まれたものが宙に浮いている。生命体の生まれるところを象徴しているのだろうか。
塩田の作品はいつも社会性を帯びていて、そして造形的にも完成度が高い。それは初個展から変わらない。特に大きな会場でのインスタレーションは日本では他に類例を見ることのない優れたものだ。
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塩田千春展
2018年7月26日(木)−9月15日(土)
12:00−19:00(日・月・祝 休廊)
夏期休廊8/9−8/22
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ケンジタキギャラリー/東京
東京都新宿区西新宿3-18-2-102
電話03-3378-6051
http://www.kenjitaki.com