東京銀座のガルリSOLで菅野美榮展「旅スル種子2023」が開かれている(5月20日まで)。菅野は群馬県出身、1968年共立女子短期大学を卒業したのち、1971年日本デザインスクールを卒業している。1990年、銀座のギャラリー・オカベで初個展。その後、ギャラリートモスやギャラリーテムズ、ギャラリー椿、K'sギャラリー、ガルリSOL、宇フォーラム美術館、巷房等々で多くの個展をしてきた。近年はタンポポの綿毛を無数に使ったインスタレーションなどを発表している。
ギャラリーの中央には細長い金属製の帯状の構造体が置かれ、そこに数多くのタンポポの綿毛の球がひしめき合っている。その構造体は川を表しているらしくガラス製の舟が浮かんでいる。舟にはタンポポの綿毛の球が乗っていて、その先は垂直に天井に伸びる梯子に通じている。タンポポの綿毛は梯子を昇って空に上がっていく。
ギャラリーの天井からは何本もの糸が垂れ下がっており、そこには木の実が連なっている。個展タイトルの「旅スル種子」はこれらの動きを表しているのだろう。
タンポポの綿毛は成熟すると風で飛ばされていく。菅野は成熟しても綿毛が飛び散らないようにある種の工作をしているらしい。そのような技術的な面とは別にインスタレーションとして美的にまとめ上げている。ガラスの舟も自作だという。
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菅野美榮展「旅スル種子2023」
2023年5月8日(月)-5月20日(土)
11:00-19:00(最終日17:00まで)日曜休廊
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ガルリSOL
東京都中央区銀座1-5-2 西勢ビル6F
電話03-6228-6050