2025-08-01から1ヶ月間の記事一覧
東京神宮前のUP & COMINGで「断片の集積」が開かれている(9月28日まで)。吉田絢乃、TAKU NISHIMURA、長雪恵、官野良太、高梨麻世の5人のグループ展だ。 吉田絢乃。1987年東京生まれ、2013年多摩美術大学大学院美術研究科油画研究領域修了。 TAKU NISHIMU…
片山杜秀・佐藤優『生き延びるための昭和100年史』(小学館新書)を読む。これが実に面白かった。片山杜秀は日本政治思想史研究者、佐藤優は元外務省のインテリジェンス。二人が、「敗戦の断絶と反復」、「大衆の誕生と変遷」、「天皇家の昭和100年」、「日…
ヘルマン・ヘッセ『デミアン』(新潮文庫)を読む。たぶん60年ぶりくらいの再読。ヘルマン・ヘッセは高校生の頃の私の好きな作家のひとりだった。初期の『郷愁(ペーター・カーメンチント)』から中期の『デミアン』、それに『知と愛(ナルチスとゴルトムン…
出口顕『ほんとうの構造主義』(NHKブックス)を読む。フランスの戦後の思潮、構造主義の四銃士と呼ばれた文化人類学のレヴィ=ストロース、思想史家ミシェル・フーコー、文芸批評のロラン・バルト、精神分析家のジャック・ラカンの思想を取り上げて構造主義…
東京大崎のO美術館で第14回 座の会展「座2025」が開かれている(8月28日まで)。2012年に第1回展が開かれた座の会展も今回で14回を迎えた。基本、日本画家の会であったが、漆芸作家も加わり、狭い意味の日本画にこだわらない作家も参加している。気になった…
東京初台の東京オペラシティアートギャラリーで大久保紗也展が開かれている(10月2日まで)。大久保紗也は1992年福岡県生まれ、2015年に京都造形芸術大学芸術学部美術工芸科油画コースを卒業し、2017年同大学大学院芸術研究科芸術専攻修士課程ペインティン…
井波律子『「三国志」を読む』(岩波現代文庫)を読む。曹操、劉備、孫権や諸葛孔明、関羽、張飛などが活躍する陳寿が書いた『三国志』、巷ではそれを翻案した『三国志演義』が有名だ。本書は正史としての『三国志』と、裴松之の注を、漢文、読み下し文、解…
東京日本橋久松町のK’sギャラリーRoom A/Bで平田達哉展が開かれている(8月23日まで)。K’sギャラリーは先月、銀座からこちらに移転した。展示室は3室あり、さらに常設展示の部屋まである。特にRoom A/Bは広くて大作を展示するのにぴったりだ。 平田達哉は…
西舘好子『表裏井上ひさし協奏曲』(牧野出版)を読む。井上ひさしは私が好きな劇作家の一人だ。私が高校1年の時にNHKテレビで『ひょっこりひょうたん島』が始まった。当時世界史の小宮山先生が、この番組は面白いから見なさいと言った。本当に面白かった。…
東京神宮前のトキ・アートスペースで加山隆展が開かれている(8月24日まで)。加山隆は1963年長野県飯田市生まれ、1989年に愛知県立芸術大学美術学部油絵科を卒業している。1990年から1993年にかけてドイツに滞在し、1991-1992年にドイツカッセル大学自由…
先日、新国立劇場で歌劇『ナターシャ』が世界初演された。台本は多和田葉子、作曲は細川俊夫。それについて片山杜秀が朝日新聞に紹介した(2025年8月14日、夕刊)。 (……)たとえば大江健三郎は、広島で地獄を見た被爆青年が人類の未来の天国的幻影を見て生…
北川東子『ハイデガー』(NHK出版)を読む。「シリーズ・哲学のエッセンス」の1冊。小さな本で、わずか110ページ。取り上げた哲学者の大枠を紹介する入門書という位置づけか。 北川はハイデガーの哲学を語っている。ハイデガーは「存在そのもの」、「存在の…
野坂昭如『戦争童話集 完全版』(中公文庫)を読む。野坂昭如が1971年、もう55年前に『婦人公論』に連載した戦争を舞台にした童話集。それに沖縄の話を2篇付け加えて「完全版」とした。 池澤夏樹が毎日新聞の書評で紹介していた(2025年7月26日付け)。 一…
東京銀座のギャルリーためながでポール・アイズピリ展が開かれている(8月17日まで)。ギャラリーのホームページから、 このたび、ギャルリーためながは2025年7月12日(土) – 8月17日(日)まで「画商 爲永清司が育てたポール・アイズピリ展」を開催いたします…
東京新富町のガルリSOLで木子幸恵展「剥ぎとる」が開かれている(8月16日まで)。木子幸恵は2016年大阪芸術大学芸術学部美術学科版画コースを卒業、2022年京都精華大学大学院芸術研究科博士前期課程芸術専攻版画領域を修了している。2019年大阪のDEPギャラ…
中川毅『時を刻む湖』(岩波現代文庫)を読む。これは先月読んだ同じ著者の『人類と気候の10万年史』(講談社ブルーバックス)で紹介された事例、福井県の水月湖は「世界一正確な年代が分かる堆積物」が得られる湖だという、その調査研究を詳しく綴ったもの…
沼野充義『ロシア文学を学びにアメリカへ?』(中公文庫)を読む。以前『屋根の上のバイリンガル』というタイトルで白水uブックスから出ていたもの。当時から気になっていた。沼野はロシア文学やポーランド文学の専門家。沼野の訳したスタニスワフ・レムなど…
東京竹橋の東京国立近代美術館で「記録をひらく 記憶をつむぐ」が開かれている(10月26日まで)。同館のコレクションを中心に100点余の先の戦争前後に関する絵が展示されている。 この展覧会について、毎日新聞の「余禄」が書いている(2025年8月9日、朝刊…
原武史『日本政治思想史』(新潮選書)を読む。本書は放送大学の教科書を加筆改訂したもの。そのためか丁寧にやさしく書かれている。でありながら、丸山眞男の『日本政治思想史研究』に対して強く批判するなど、安易な啓蒙書とは全く違う。とくに西武線沿線…
東京入谷のいりや画廊で寺本幸弥展「Movement」が開かれている(8月16日まで)。寺本幸弥は1997年福岡県生まれ、2020年に九州産業大学芸術学部を卒業し、2024年に同大学大学院芸術研究科を修了している。2020年に九州芸文館で初個展、いりや画廊での個展は2…
岡本隆司『二十四史』(中公新書)を読む。中国の正史は史記、漢書、三国志、後漢書から始まって、元史、明史まで24が「正史」とされている。いずれも前王朝の歴史を次の王朝が国家をあげて編纂することが多かった。 二十四史と言っても、最初の4史以外はあ…
東京初台の東京オペラシティ アートギャラリーで難波田龍起展が開かれている(10月2日まで)。難波田龍起は1905年生まれ、東洋的抽象画家として高く評価され、ここ東京オペラシティ アートギャラリーには300点を超すコレクションが、また世田谷区美術館にも…
東京銀座のコバヤシ画廊で庄司和宏展が開かれている(8月9日まで)。庄司和宏は1980年東京生まれ、2001年に文化学院美術科を卒業し、2003年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業している。2004年にアートトレースギャラリーで初個展、その後コバヤシ画…
谷川俊太郎編『中勘助詩集』(岩波文庫)を読む。中勘助の『銀の匙』は「読者が選ぶ〈私の好きな岩波文庫〉」で漱石の『こころ』と『坊ちゃん』に次いで3位に入った。 解説で谷川俊太郎は書く。 「いい詩を書こう」ではない。「名作を残したい」でもない、「…
井上ひさし・作『少年口伝隊一九四五』を新国立劇場小劇場で見た。演出が栗山民也、新国立劇場演劇研修所公演の朗読劇だ。私は昨日の初日を見た。朗読劇なので、舞台の上に横1列で12人の役者が並んでいる。演劇研修所第19期生たちだ。音楽は後方にギターの宮…