2025-01-01から1ヶ月間の記事一覧
司馬遼太郎『歴史と風土』(文春文庫)を読む。『司馬遼太郎全集』の月報のために語り下ろしたものと、『文藝春秋』に連載した談話を編集している。いずれも司馬が語ったもの。 司馬のエッセイも語りもピカイチだと思う。こんな内容なら何冊でも読みたい。面…
東京藝術大学卒業・修了展が開かれている(2月1日まで)。会場は東京都美術館と東京藝術大学の2か所にわたるが、今回は大学美術館と大学構内の展示で面白かったものを紹介する。 徳竹玲音 佐々木玲奈 袁霏 袁霏 梶原康紀 鈴木真緒 渡邊露子 渡邊露子 原田…
東京藝術大学卒業・修了展が開かれている(2月1日まで)。会場は東京都美術館と東京藝術大学の2か所にわたるが、まず東京都美術館の展示で面白かったものを紹介する。 今本章 中原玲奈 内田恭平 會見明也 上村唯夏 佐藤弥太郎 澁谷弥月稀 土井源 水上修人…
東京銀座のギャラリー小柳でマーク・マンダース展が開かれている(3月8日まで)。マーク・マンダースは1968年オランダ生まれでベルギー在住。2021年に東京都現代美術館で大規模な個展が開かれた。 今回の展示について、ギャラリーのホームページに紹介があ…
東京銀座の銀座K’sギャラリーで浅野修展が開かれている(2月1日まで)。浅野修は1937年北海道生まれ、多摩美術大学油絵科を卒業している。日本を始め海外でも個展を行い、また「十勝めむろ赤レンガ倉庫」ギャラリーを設立した。ここK’sギャラリーの個展は…
金井美恵子『ピース・オブ・ケーキとトゥワイス・トールド・テールズ』(新潮社)を読む。2012年発売の単行本を買ってあったのに読んでいなかった。去年中公文庫から発売されたのでやっと手に取った。 これは『新潮』に2004年から2006年にかけて書き継いだ連…
坂崎幸之助『ネコロジー』(河出書房新社)を読む。坂崎幸之助はTHE ALFEEのメンバー。THE ALFEEはNHK FMで「THE ALFEE 終わらない夢」という番組を持っている。3人のメンバーが交代で雑談みたいなおしゃべりをし、曲を流している。私は彼らの屈託のないおし…
暉峻淑子『サンタクロースを探し求めて』(岩波現代文庫)を読む。暉峻は経済学者。昔カミさんの本棚に宇野弘蔵の『経済学原論』(岩波全書)があり、どうして宇野経済学の本があるのだろうと思ったことがあった。大学の授業で使ったからと言われた。カミさ…
古井由吉『小説家の帰還』(講談社文芸文庫)を読む。副題が「古井由吉対談集」で、6人の文学者たちと対談したものを集めている。対談相手は、江藤淳、吉本隆明、平出隆、松浦寿輝、養老孟司、大江健三郎と錚々たる人たち。いずれの対談も真摯な対話が交わ…
東京銀座のメグミ・オギタ・ギャラリーで「グループ展:Favorites」が開かれている(2月1日まで)。そこに吉仲太造の「非色の絵画」が2点出品されている。(他の作品は、浅野弥衛、重野克明、中村ケンゴ)。 吉仲太造の1点は「不在」と題された50号の作…
樺山紘一『欧人異聞』(刀水新書)を読む。日本経済新聞に2011年から2013年まで、2年半にわたって週に1回122回連載したものを取りまとめた。ヨーロッパの歴史上の人物をこの新書見開き2ページで取りあげている。きわめて簡潔にまとめているが、やはり2ペ…
東京四谷三丁目のTS4312で「恒例ギャラリー入札オークション」が開かれている(1月26日まで)。ここの最低入札価格がとても安い。入札だから最低価格で落札できるわけではないが、画廊主の澤登さん曰く、うちはお客さんが少ないからあまり競ることがないの…
東京京橋のギャラリー椿で「オークション2025」が始まった。 オークションは1月17日(金)、18日(土)、19日(日)、20日(月)の4日間。誰でも自由に入札できる。今年は640点という大量の出品点数だ。ギャラリー椿は銀座・京橋地区でも特に大きなギャラ…
リヒター≪ビルケナウ≫ ジョルジュ・ディディ=ユベルマン『「それ」のあったところ』(新曜社)を読む。副題が「≪ビルケナウ≫をめぐるゲルハルト・リヒターへの4通の手紙」というもの。フランスの哲学者、美術史家のディディ=ユベルマンが、リヒターの抽象…
東京京橋のギャラリーなつかとCross View Artsで酒井香奈展「Sign of Color-色の兆し」が開かれている(2月1日まで)。酒井香奈は1969年茨城県生まれ、1992年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業、1994年同大学大学院造形研究科美術専攻油絵コースを修…
東京京橋のギャルリー東京ユマニテbisで奥村浩之展―「風と波」そして奥能登・再生への思い―が開かれている(1月25日まで)。奥村浩之は1963年石川県金沢市生まれ、1986年金沢美術工芸大学美術学部彫刻科を卒業し、1988年同大学大学院修士課程を修了している…
東京原宿のBLUMで奈良美智展「I Draw the Line」が開かれている(1月18日まで)。ギャラリーのホームページより、 大きな木製パネルに描かれ、「CHEER FOR YOU」や「WE ARE OUTLAWS YES!」などのフレーズが書かれた奈良の最近の絵画は、公の場で宣言するプ…
東京都庭園美術館で「そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠」が開かれている(2月16日まで)。副題が「朝香宮邸でつむぐ鉄とガラスの創造」とあり、青木野枝が鉄の彫刻を、三嶋りつ惠がガラスの立体を展示している。ここでは青木野枝を取り上げる。 …
ジャン・クレイ、粟津則雄・訳『ジャコメッティとの最後の会話』(球形工房)を読む。本書はもともと『朝日ジャーナル』1966年3月13日号に掲載されたもの。フランス語による初出は1963年、ジャコメッティは1966年1月に亡くなっている。 ジャコメッティは奇…
東京銀座のうしお画廊で淀井彩子展が開かれている(1月18日まで)。淀井彩子は1966年に東京芸術大学美術学部油画科を卒業し、1968年に同大学大学院油画専攻を修了している。その後フランス政府給費留学生としてパリに留学。2011年まで青山学院女子短期大学…
東京銀座のOギャラリーで与那覇大智展が開かれている(1月12日まで)。与那覇大智は1967年沖縄県生まれ、1990年に沖縄県立芸術大学美術工芸学部を卒業し、1993年筑波大学大学院修士課程芸術研究科を修了している。1996年に茨城県立美術館で初個展、1998年に…
里見龍樹『入門講義 現代人類学の冒険』(平凡社新書)を読む。題名通り現代人類学について7日間の講義を綴っている。大学1~2年生向けだと言うがこれが面白かった。 里見は20世紀末の人類学に新しい変化が生じたと言う。里見自身はソロモン諸島のマライタ…
東京神宮前のトキ・アートスペースで高橋理加展が開かれている(1月19日まで)。高橋理加は1963 年東京生まれ、多摩美術大学絵画科を卒業している。トキ・アートスペースでの個展は2年ぶりになる。ギャラリーのホームページに高橋のコメントが載っている。…
菅瀬晶子・文、平澤朋子・絵『ウンム・アーザルのキッチン』(福音館書店)を読む。本書は、『月刊たくさんのふしぎ』2024年6月号になる。朝日新聞書評委員が選ぶ「今年の3点」で長沢美津子が推薦していた。 本書は実話の絵本で菅瀬晶子文、平澤朋子絵の「…
銀座の画廊を回り始めたのは1992年からだった。もう33年前になる。それまで熱心に画廊を見て歩くことはなかった。はじめはわが師山本弘の絵が銀座へ持ってきたらどのランクに評価されるのか自分で確かめたいと思ったからだ。 そのころ読んだ美術の入門書で、…
壇上寛『陸海の交錯』(岩波新書)を読む。副題が「明朝の興亡」、本書は「シリーズ 中国の歴史」の4巻目になる。 モンゴルの元朝末期、天災・飢饉・疫病などが相次ぎ、各地に数万、数十万の棄民・流民が発生した。そんなときに白蓮教が民衆の心をとりこに…
元日は吾嬬神社へ初詣に行った。吾嬬神社は東京墨田区にある小さな神社。小さいが関東でも最も古い神社に属する。ご祭神は弟橘媛(オトタチバナヒメ)、彼女は日本武尊(タマトタケル)の妃とされている。 「すみだの史跡散歩による吾嬬神社の由緒」によれば…
本年もよろしくお願いします。 ブログを始めて今年で丸20年になります。 長い間毎日投稿を続け、一昨年コロナで入院してからは週6回の投稿をしてきました。そろそろ終活を考えて今年は投稿回数を減らすつもりでいますがよろしくお願いします。 写真は元旦の…