芝居

野木萌葱 作、小川絵梨子 演出『骨と十字架』を見る

新国立劇場小劇場で野木萌葱 作、小川絵梨子 演出『骨と十字架』を見る。野木は2年ほど前に『東京裁判』を見ていっぺんに魅了された。この『骨と十字架』は、北京原人の発見に関わったカトリック神父であり古生物学者のテイヤールに対するヴァチカンの、カト…

若葉町ウォーフで演劇ユニットnoyRの『ニーナ会議‐かもめより‐』を見る

横浜黄金町の若葉町ウォーフで演劇ユニットnoyRの『ニーナ会議‐かもめより‐』が上演されている(4月28日まで)。チェーホフの『かもめ』を原作として、樋口ミユ構成・演出で『かもめ』の登場人物のひとりニーナを主人公にして再構成している。ニーナがオリジ…

新国立劇場で『リチャード三世』と『あーぶくたった、にいたった』を見る

新国立劇場が「こつこつプロジェクトーディベロップメント―」を始めた。最初はリーディング公演で『スペインの戯曲』と『リチャード三世』、『あーぶくたった、にいたった』を取り上げたが、私はシェイクスピアの『リチャード三世』と別役実の『あーぶくたっ…

三好十郎作『トミイのスカートからミシンがとびだした話』を見る

10月末に新国立劇場小ホールで同劇場演劇研修所第12期生試演会があった。演目は三好十郎作の『トミイのスカートからミシンがとびだした話』で、1951年に発表されてその年に初演した以来の舞台化らしい。演出が田中麻衣子。パンフレットにあらすじが紹介され…

横内謙介戯曲集『愚者には見えないラ・マンチャの王様の裸』を読む

横内謙介戯曲集『愚者には見えないラ・マンチャの王様の裸』(テアトロ)を読む。先月、信濃町の文学座アトリエの文学座附属演劇研究所研修科発表会でこの芝居を見た。演出が小林勝也だった。 芝居はアンデルセンの『はだかの王様』やセルバンテスの『ドン・…

井上ひさし・作『少年口伝隊一九四五』が素晴らしい

井上ひさし・作『少年口伝隊一九四五』がとても良かった。演出が栗山民也、新国立劇場演劇研修所公演の朗読劇だ。私は初日の8月1日に見た。朗読劇なので、舞台の上に横1列で12人の役者が並んでいる。演劇研修所第12期生たちだ。音楽は後方にギターの宮下祥…

内藤啓子『赤毛のなっちゅん』を読む

内藤啓子『赤毛のなっちゅん』(中央公論新社)を読む。副題が「宝塚を愛し、舞台に生きた妹・大浦みずきに」とあり、宝塚のトップ俳優だった大浦みずきについて、その一生を姉の内藤が書いた伝記だ。大浦みずきは2009年に53歳で肺がんのため亡くなった。 私…

TBスタジオプロデュース公演『手紙』を見る

TBスタジオプロデュース公演『手紙』を見る。作・演出が得丸伸二で、出演が得丸と山上優の二人。リーディング・シアター=朗読劇。 得丸の演出後記から、 本作はA・R・ガー二―の『ラブレターズ』を上演しようとして上演権が取得できなかったため、日本版ラブ…

新国立劇場の『美しい日々』を見た

松田正隆作の芝居『美しい日々』を新国立劇場で、同劇場演劇研修所第11期生修了公演として見た(2月6日)。演出は宮田慶子。忘れていたが、7年前にも第4期生の修了公演で見ていた。今回見ている間も見終わっても全く覚えていなかった。観劇記をこのブログに…

さすらい日乗さんによる長谷川康夫『つかこうへい正伝1968−1982』評

さすらい日乗(指田文夫)さんが、長谷川康夫『つかこうへい正伝1968−1982』(新潮社)について、大変興味深い書評を寄せてくれた。それを掲載する。 長谷川康夫の『つかこうへい正伝』を読んだ。 非常に面白いが、彼の作劇術は、実は小津安二郎が、野田高梧…

『美しきものの伝説』を見る

宮本研『美しきものの伝説』を文学座アトリエで見る。文学座のホームページから、そのあらすじ。 物語は大正元年、伊藤野枝が社会主義活動家・堺俊彦の売文社を訪ね、 大杉栄や平塚らいてうに出会う場面から始まる。 〈売文社〉〈芸術座〉をめぐって、人々が…

サンモールスタジオで『二階の女』を見る

新宿のサンモールスタジオで山上優演出の『二階の女』を見る。獅子文六原作、飯沢匡脚本。役者はNLTの団員を中心に文学座や青年座などから集めている。 「あらすじ」をパンフレットから引く。 時代は昭和13年(1938)から16年(1941)の開戦の朝まで。東京、…

岡部耕大『追憶』を見る

岡部企画プロデュース『追憶』を見る。紀伊国屋ホール、岡部耕大 作・演出。副題が「7人の女詐欺師」。昭和11年、賄賂を受け取って協力する軍人の大佐と結託した悪徳商人が密輸で儲けていたが、商人の一人が足を洗おうとして殺される。殺された商人と親しか…

モーム『聖火』を読む

モーム/行方昭夫・訳『聖火』(講談社文芸文庫)を読む。『月と六ペンス』のモームが書いた戯曲、これがとても良かった。さすがストーリーテラーのモームと思わせたが、解説ではモームのほとんどの芝居が大衆向け路線の風俗劇で、本作を含めた4作がイプセン…

絶対的『彼と私』を見る

2月4日にトーキョーワンダーサイト本郷で行われた絶対的の公演『彼と私』を見た。演出が卓翔、学芸が川口智子とある。出演は梵谷(香港/現代演劇)、鵜澤光(能楽)、武田幹也(舞踏)の3名。 3名が自己紹介のあとモダンダンスと舞踏を組み合わせたようなダ…

朗読劇『ひめゆり』を見る

新国立劇場演劇研修所公演 朗読劇『ひめゆり』を見る。新国立劇場には付属の演劇研修所(NNTドラマ・スタジオ)があり、舞台俳優の育成をしている。毎年夏に3年生が朗読劇をしていて、昨年までずっと井上ひさしの『少年口伝隊 一九四五』が演じられていた。…

リーディング公演で別役実『門』を見た

先月、新国立劇場のマンスリープロジェクトで別役実の『門』のリーディング公演を見た。マンスリープロジェクトは毎月行われていて、多くは講義が多いのだが、年に1回リーディング公演がある。すべて無料なのだ。今までもリーディング公演は何回か見てきた。…

野木萌葱『東京裁判』を見る

野木萌葱 作『東京裁判』を新国立劇場演劇研修所10期生有志企画が上演した舞台を見た(芸能花伝舎内 新国立劇場演劇研修所 実習室、6月25日)。 ごく簡単な装置。舞台の中央に丸いテーブルが置かれている。それをとり囲む5脚の椅子。芝居が始まると男たちが…

『楽屋』観劇のすすめ

先日(4月21日)、朝日新聞夕刊にも紹介されたが、現在東京都世田谷区梅が丘BOXで清水邦夫作『楽屋』が連続競演されている。燐光群アトリエの会主催で、『楽屋』という芝居を18団体が競演する(4月27日〜5月10日まで)。 18の団体が共通の舞台、セットを使…

西堂行人『[証言]日本のアングラ』を読む 

西堂行人『[証言]日本のアングラ』(作品社)を読む。副題が「演劇革命の旗手たち」といい、8人のアングラ演劇の中心的な関係者たちにインタビューしたもの。取り上げられているのは9人で、唐十郎、別役実、瓜生良介、佐藤信、太田省吾、蜷川幸雄、寺山…

アーサー・ミラー『転落の後に』を見る

アーサー・ミラー作の芝居『転落の後に』を見た。文学座付属演劇研究所研修科卒業発表会、演出は西川信廣、会場は文学座アトリエだった。 アーサー・ミラーの芝居は『セールスマンの死』の戯曲を読んだことがあるだけ、芝居を見るのは初めてだった。3時間の…

『つかこうへい正伝1968−1982』を読む

長谷川康夫『つかこうへい正伝1968−1982』(新潮社)を読む。550ページを超える分厚い伝記だ。ただ「1968−1982」となっているが、つかは1948年生まれで亡くなったのは2010年だった。長谷川はつかこうへいの芝居の出演者であり制作スタッフだった。つかより5…

ロルカの『血の婚礼』に感動した

新国立劇場でフェデリコ・ガルシーア・ロルカ作の芝居『血の婚礼』を見た。これは同劇場演劇研修所公演第9期生試演会で、役者はすべて新人たちだが演出は田中麻衣子が担当している。 ロルカはスペインの詩人、しかしスペイン内戦のため1936年に38歳で銃殺さ…

井上ひさし・作『少年口伝隊一九四五』が素晴らしい

井上ひさし・作『少年口伝隊一九四五』がとても良かった。演出が栗山民也、新国立劇場演劇研修所公演の朗読劇だ。私は8月15日のマチネーを見た。朗読劇なので、舞台の上に横1列で12人の役者が並んでいる。演劇研修所第9期生たちだ。音楽は後方にギターの宮…

井上ひさし『少年口伝隊一九四五』をお勧めします

井上ひさし作『少年口伝隊一九四五』が新国立劇場で上演される。(8月14日夜、15日と16日の昼)。演出が栗山民也、出演は新国立劇場演劇研修所の第9期生の研修生たち。もともとこの研修生のために井上が書いた朗読劇なのだ。それで毎年研修生によって上演…

新国立劇場のリーディング公演『スザンナ』を見る

新国立劇場小劇場のリーディング公演『スザンナ』を見た(5月26日)。脚本はノルウェーの劇作家ヨン・フォッセ、演出が宮田慶子、出演は青山眉子(年老いたスザンナ)、津田真澄(中年のスザンナ)、山崎薫(若いスザンナ)。『人形の家』の作者イプセンの…

平田オリザ『演劇入門』がとても良い

平田オリザ『演劇入門』(講談社現代新書)を読む。これがとても面白い本だった。初版が1998年だが、去年誰かが推薦していたので購入した。そのまま読まないで本棚に差してあった。その時点ですでに23刷だった。売れているらしい。 そして先月朝日新聞の書評…

観劇のすすめ

とても面白い芝居が上演されるので、おすすめしたい。一つはエドワード・ボンド作『大いなる平和』、もう一つは井上ひさし作『父と暮せば』で、どちらも見る価値が大いにあると思う。 まず『大いなる平和』について。座・高円寺という劇場があり、劇場創造ア…

アヌイの『アンチゴーヌ』を見る

先日、12日の夜、ジャン・アヌイ作『アンチゴーヌ』を見た。演出が栗山民也、新国立劇場演劇研修所公演で、第8期生修了公演だった。すばらしかった。アヌイはギリシャ悲劇ソフォクレスの『アンティゴネ』を翻案してこの芝居を書いている。 私は高校生の頃こ…

井上ひさし『きらめく星座』をブルーレイで見る

井上ひさし『きらめく星座』を先月紀伊国屋サザンシアターで見たが、とても良かった。昔テレビで放映した同じ芝居が録画してあったので、十数年ぶりに見直した。いまではブルーレイにダビングしてある。先日の舞台が3時間だったのに、少し省略してあるとかで…