2026-01-01から1ヶ月間の記事一覧
チェーホフ『ヴェーロチカ/六号室』(光文社古典新訳文庫)を読む。浦雅春・訳。表題のほか、「カシタンカ」、「退屈な話」、「グーセフ」、「流刑地にて」の計6篇が収録された中短篇集。チェーホフの短篇集を読むのはほとんど60年ぶりくらいか。その10代…
東京有楽町の第一生命ギャラリーで堀江栞個展「わたしを数える」が開かれている(2月10日まで)。堀江栞は1992年フランス生まれ、2014年多摩美術大学美術学部日本画専攻を卒業している。2014年に加島美術で初個展、その後第26回五島記念文化賞を受賞し、そ…
柴田和さんが亡くなった。去る12月31日、享年92。柴田さんのパートナーだった方から連絡の葉書が届いた。高齢だったとは言え、とても寂しい。柴田さんに最後に会ったのは2年前のTS4312での年末オークションの時だった。その時はさほど弱っているとは思わな…
東京表参道のギャルリーためながで菅原健彦展「流転」が開かれている(2月8日まで)。菅原健彦は1962年東京生まれ、1989年多摩美術大学絵画科日本画専攻を卒業している。1991年に東京セントラル絵画館で初個展、1994年亜細亜大学太田耕造記念館の壁画「円…
サーデク・ヘダーヤト『盲目の梟』(白水uブックス)を読む。ヘダーヤトはイラン出身の作家。白水社の紹介によると、 ペルシア語文学史上に現われた「モダニズムの騎士」による、狂気と厭世に満ちた代表作を含む中短篇集。「人生には徐々に孤独な魂をむしば…
東京国立近代美術館で「アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦」が開かれている(2月8日まで)。 美術館のホームページより、 新しい時代を象徴していた女性の美術家は、なぜ歴史から姿を消してしまったのか。 1950年代から60年代の日本の女…
桑原甲子雄『東京1934~1993』(新潮社)を読む(見る)。桑原甲子雄という当時アマチュアだったカメラマンのスナップ集。桑原の家は質屋だったので、アメリカに緒よる東京空襲の際も写真のネガが質屋の蔵に保管されていたので、戦前の貴重なネガフィルムが…
カミュ『幸福な死』(新潮文庫)を読む。本書はカミュ死後に出版されたもの。カミュの初期の長編小説で、カミュ自身は出版する予定はなかったと思われる。カミュは『異邦人』や『ペスト』、『シーシュポスの神話』などで人気を集め、44歳でノーベル文学賞を…
東京恵比寿の東京都写真美術館で「作家の現在 これまでとこれから」が開かれている(1月25日まで)。ホームページから、。 東京都写真美術館は2025年に総合開館30周年を迎えました。1995年の総合開館から30年の間にもさまざまな表現が誕生し、社会の変化と…
東京銀座のシロタ画廊で「新春四人展」が開かれている(1月24日まで)。参加しているのは、笹井祐子、生嶋順理、齋藤千明、Jimin LEEの4人。 ここでは笹井祐子を中心に紹介する。 笹井祐子(以下同じ) 生嶋順理 生嶋順理 生嶋順理 齋藤千明 Jimin LEE ・ …
東京銀座のコバヤシ画廊企画室で「疾走する女性たちⅢ」が開かれている(1月31日まで)。参加作家は、浅葉雅子、菅野まり子、前本彰子、村上早の4人。いずれもコバヤシ画廊で個展を続けている実力者たちだ。 前本彰子 前本彰子(部分) 浅葉雅子 浅葉雅子 …
東京藝術大学絵画棟で「東京藝術大学油画卒業制作学内審査展2026」が開かれている(1月14日まで)。それらの内いくつかを紹介する。 グンジ 村松辰之助 村松辰之助(アルミパネル) 鈴木詠士 鈴木詠士 鈴木詠士 黒澤巧 黒澤巧 白坂茉桜 白坂茉桜 びゅん び…
東京市ヶ谷のギャラリーαMで高橋耕平展「逆・様」が開かれている(2月21日まで)。高橋耕平は1977年、京都府生まれ。芦屋市美術博物館、東京都写真美術館、京都市京セラ美術館、豊田市美術館、兵庫県立美術館、京都芸術センターなどで展示している。 高橋は…
東京神田淡路町のカフェZOZOIで川口祐展「そこにある風景」が開かれている(1月30日まで)。川口祐は1970年東京生まれ、桑沢デザイン研究所で学んだ。2003年から3年間ギャラリイKで個展をし、その後数カ所のギャラリーで個展を開き、2013から2016年までSTO…
東京外苑前のトキ・アートスペースで笠原由起子展「All the Seeds We Cannot See-まだ見ぬ種子」が開かれている。笠原由起子は1959年宮城県生まれ、1984年多摩美術大学絵画科油画専攻を卒業し、1986年多摩美術大学大学院絵画を修了とある。1985年村松画廊で…
H.G.ウェルズ『タイム・マシン』(岩波文庫)を読む。古典的なSFで、私も昔ほぼ60年前に読んでいる。今回読み直したのは今はやりのAIの先取りではないかと考えたからだ。(ネタバレあり)。 『タイム・マシン』は130年前に発表されたが、時間を旅行するとい…
東京銀座のギャラリー枝香庵Flatで木下晋展「いのちの系譜」が開かれている(1月16日まで)。木下晋は1947年富山県生まれ、1969年評論家瀧口修造に出会い、洲之内徹らに認められる。ギャラリーのホームページから、 瞽女・小林ハルや元ハンセン病患者の詩人…
東京銀座のギャラリー58で「Square展」が始まった(1月24日まで)。これは「30×30cmの正方形展」と言い、46人の作家が30×30cmの小品を1点ずつ出品している。 興味を持った作品を紹介する。 秋山恭子 弥永隆広 川崎英世 小鶴幸一 さかいようこ 田中彰 中村…
深作欣二の「死は御破算、それが核となって」を読んだ。週刊朝日偏『ひと、死に出あう』(朝日選書)に収められている一篇だ。本書には67人の死に関するエッセイが収録されている。 深作欣二はわが師山本弘と同い年の1930年生まれ。終戦に関して山本弘と似た…
三枝昂之『百年の短歌』(新潮選書)を読む。年末の毎日新聞書評者の「今年の3冊」で東直子が推薦していた。 東直子選 『百年の短歌』三枝昂之(新潮選書・1815円) 百年の間に生まれた名歌を多様な切り口で分類しつつ、一人一人の書き手の特徴を詳細に伝え…
宮崎学『となりのツキノワグマ』(新潮社)を読む。宮崎学は動物写真家、長野県の中央アルプス周辺を拠点に野生の動物を撮っている。自分で考案した24時間ライブカメラで夜間の森の中、けもの道を通る野生動物を撮影した写真で数々の賞を受賞している。 本書…
川名大『現代俳句(上)(下)』(ちくま学芸文庫)を読む。上下2巻で1,060ページもある大作。取り上げられた俳人は126名に及び、各俳人の作品をていねいに読解している。難解な句も川名にかかると実に明快に読み解かれる。また、昨年読んだ小澤實=選『近…
中沢新一『古代から来た未来人 折口信夫 増補新版』(ちくま文庫)を読む。本書は、2008年にちくまプリマ―新書として刊行されたものに、「ムスビの神による人類教」と「天竜川という宝庫」を増補して文庫化したもの。私はそのちくまプリマ―新書を読んでいる…
小川哲『言語化するための小説思考』(講談社)を読む。直木賞を受賞し、『火星の女王』などのヒット作のあるSF作家が小説論を披露してくれている。これがとても面白い。短くて短時間で読めてしまう。いや面白いから中断する気にならないで一気に読み終わっ…
今年も初詣は吾嬬神社と亀戸石井神社に行ってきた。吾嬬神社は墨田区、亀戸石井神社は江東区だけど、おそらく500メートルほどしか離れていない。どちらも縄文時代にさかのぼると思われる関東有数の古い神社だ。亀戸石井神社は先の戦争の東京大空襲で焼き払わ…
明けましておめでとうございます。 今頃都井岬の野生馬も太平洋から昇る初日を眺めているのだろう。