うしお画廊の淀井彩子展を見る

 東京銀座のうしお画廊で淀井彩子展が開かれている(9月8日まで)。淀井は1966年に東京芸術大学美術学部油画科を卒業し、1968年に同大学大学院油画専攻を修了している。その後フランス政府給費留学生としてパリに留学。2011年まで青山学院女子短期大学芸術学科教授を勤めていた。1971年にみゆき画廊で初個展、2012年には横須賀美術館で個展を開いている。昨年は世田谷美術館で彫刻家の父との二人展「淀井彩子と淀井敏夫」展も開かれた。






 DM葉書のテキストから、

「時間・呼びかける」


この10年間の制作の流れを振り返ると、さまざまの土地、さまざまの時間に向かって呼びかける私自身の声、視線を感じる。原初のヒトの創造活動の場に立ち岩壁に手を触れ呼びかける。水と砂漠の荒涼と広がる土地空間に呼びかける。私の絵画はそれらの土地に至る地図とも言える。その呼応を実感しながら、画面に表現したことだけが私の真実だと納得する。

 淀井は大きな風景を描いている。まるで大河を俯瞰しているかのようだ。明らかに風景を描いていて、それが写実ではない象徴的な作品を実現している。どこか大陸的な印象を与える画家だと思われる。
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淀井彩子展
2018年8月27日(月)−9月8日(土)
11:30−19:30(最終日17:00まで)日曜休廊
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うしお画廊
東京都中央区銀座7-11-6 イソノビル3F
電話03-3571-1771
http://www.ushiogaro.com/