森美術館の会田誠展「天才でごめんなさい」を見る


 雪の成人の日に六本木の森美術館会田誠展「天才でごめんなさい」を見に行く。地下鉄を降り地上に出ると雪が降っていた。そのせいだろう、客は少なかった。
 会田誠について、展覧会のちらしはこう紹介している。

1965年、新潟県に生まれ、漫画家や小説家、映画監督、絵描きなど何らかの表現者になることを目指して上京。1991年、東京芸術大学大学院修了。美少女、戦争画、サラリーマンなど、社会や歴史、現代と近代以前、西洋と東洋の境界を自由に往来し、奇想天外な対比や痛烈な批評性を提示する作風で、幅広い世代から圧倒的な支持を得ている。


 今回の個展では100点もの作品を展示しているが、ほとんでの作品をどこかで見ていた。そして気付いたことが、会田誠は写真家アラーキーと共通性を持っているということだ。特に「スキャンダル」を好むというか、大きな戦略としていることでよく似ている。アラーキーも天才カメラマンを自称しているし。
 初期の作品の「あぜ道」は東山魁夷の「道」をパロディーにしたもので、お下げにした女学生の分けた髪が道につながっている。今回は出品されていなかったが、2010年のミズマアートギャラリーの個展ではジャスパー・ジョーンズをパロディーにした「1+1=2」という作品もあった。今回もひとつの部屋全体、壁から天井から床までをソーセージ様の模様で覆った草間彌生を模した作品もある。
 会田誠を見ていると、この人は本当に美術が好きなのかと思えてくる。ほとんど片手間にやっているのではないかと。それでこのような達成が可能なら本人が自称するように天才かもしれない。10年ほど前に東京ステーションギャラリーで行われた若手作家を集めた展覧会でも、他の若い画家たちが力を入れた作品を発表していたのに、会田の作品は工事用のブルーシートにガムテープの切れ端を貼り付けただけのものだった。東向島の現代美術製作所で開かれた「昭和40年会展」でも会田ひとりが落書きのようなドローイングを床に並べていた。
 しかしながら、会田誠は現在最も気になる画家なのだ。個展があれば見に行かずにはいられない。都内での個展もグループ展もほとんで見てきたのだった。

左上:「切腹女学生」
右上:「あぜ道」
下:「紐育空爆之図(戦争画RETURNS)」
なお、ちらしの表は「滝の絵」