ギャラリーHANA下北沢の新井コー児展を見る


 東京世田谷のギャラリーHANA下北沢で新井コー児展が開かれている(6月26日まで)。新井は1973年群馬県高崎市生まれ。1996年多摩美術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業している。2000年に高崎シティギャラリーで初個展、2004年から銀座のなびす画廊で2014年まで毎年個展を開いてきて連続11回に及んだ。2015年には群馬県近代美術館で個展も行われている。






 新井はいつも昭和40年代の女子高生を描いている。女子高生たちが授業中タバコを吸ったり日本酒やビールを飲んだりしている。今回は小さなスペースのギャラリーでの個展なので、小品や版画作品が多い。やはりセーラー服の女子高生が居酒屋で日本酒(久保田)を飲んでいる。壁に品書きが貼ってあり、「特選!! ウサギ鍋」とか「今が旬 カジカ唐揚」「多々良沼産 鯰天ぷら」などと書かれていて、テーブルの上のガスコンロの鍋には人参を抱いた生の兎が入っている。
 新井はいつも女子高生を描いているが、彼女たちに性的な匂いはしない。むしろ何か懐かしさの対象のような存在ではないか。酒を飲んだりタバコを吸ったりしているが、実はきわめて健全な印象がある。作者の精神が健全なことをうかがわせるのだ。
 ギャラリーHANA下北沢は下北沢駅北口から徒歩数分のところにある。そこには楽しい世界が拡がっている。
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新井コー児展
2016年6月14日(火)〜6月26日(日)
12:00−19:00(最終日は17:00まで)
6月21日と火曜日休廊
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ギャラリーHANA下北沢
東京都世田谷区北沢3-26-2
電話03-6380-5687
http://www.g-hana.jp