ギャラリー愚怜で古茂田杏子展を見る

 東京文京区本郷で古茂田杏子展が開かれている(6月8日まで)。古茂田杏子は1946年生まれ、両親とも画家で、父が古茂田守介、母が美津子、2012年に目黒区立美術館で古茂田守介+古茂田美津子展が開かれた。
 画廊が発行している「ぐれい・にゅうす」VOL.216に古茂田の短い文章が紹介されている。それを引く。

我が「画描きん家(ち)」のアトリエも築54年が経ちました。なんだかんだと言いつつ、シミやヒビの跡さえ思い出が有り、愛着のある古い建物です。成り行きで私が画を描く為にこの場所を与えてもらい、改めて感謝しているこの頃です。

 古茂田の不思議な色彩の作品は、墨とカラメル液、墨と柿渋、墨とコーヒーなどで描かれている。自在に描かれた絵のテーマがとてもおもしろい。今回は絵日記のように自分の生活を描いている。愛惜を込めて、ときに突き放して。その姿勢がとても好ましい。

左:100万本の薔薇の花を 右:Run away(どちらも亡くなった両親をテーマにしている)

三面鏡

しゃぼん玉

囲まれる

モデル

古いアトリエ

横たわる

いっぷく

(自画像:裸で描いていて風邪をひいたとのこと)
 古茂田は私より2歳も年上にも関わらず、何だかずっと年下の女性を相手に話している気分になってしまう。とてもかわいい女性という印象なのだ。
 画廊は東大赤門の斜向かいにある。ぜひ足を運ばれることをお勧めする。古茂田が在廊すれば歓迎してくれるに違いない。
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古茂田杏子展
2016年5月30日(月)〜6月8日(水)
12:00〜20:00(土曜は18:00まで、最終日は17:00まで)
日曜休み
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ギャラリー愚怜
東京都文京区本郷5-28-1
電話03-5800-0806
http://gallerygray.aikotoba.jp
地下鉄丸の内線・大江戸線 本郷三丁目駅より徒歩5分
本郷通りに面し東大赤門の斜向かい