コバヤシ画廊の西成田洋子展「記憶の領域2012」を見る

 東京銀座のコバヤシ画廊で西成田洋子展「記憶の領域2012」が開かれている(9月29日まで)。西成田は1953年茨城県生まれ、1987年より東京、水戸、ニューヨークなどでもう30回以上も個展を開いている。




 作品は古着や古道具を用いて、それらを縫い合わせ固め着色していく。よく見れば着物や革ジャン、人形やお椀等々、もともとの形は消されてはいない。そのこととタイトルの「記憶の領域」とは関係があるのだろう。
 毎回作品はいわば立っているような形だったが、今回は寝ているような形のものが多い。縫いぐるみなどがデフォルメされないで使われていて、以前よりやや具象の度合いが強いようにも思える。とくに寝ているような作品は、頭と足があるようにも見え、これは人の記憶・痕跡だったのだろうか。
 毎年同じようでいて、少しずつ変化してきている。以前も書いたことだが、夾雑物が削がれてきているように見える。不思議な造形が見飽きないのだ。
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西成田洋子展「記憶の領域2012」
2012年9月17日(月)−29日(土)
11:30−19:00(最終日17:00まで)
日曜休廊、祝日(17日・22日)開廊
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コバヤシ画廊
東京都中央区銀座3-8-12 ヤマトビルB1F
電話03-3561-0515
http://www.gallerykobayashi.jp/