反対運動への威嚇

 以前、まだ福島原発が壊れる前、山口県の上関原発に対して反対とここに書いた。
上関(かみのせき)原発に反対します(2009年9月24日)
 しばらくして、それに匿名のコメントが付けられた。

同志 2010/09/12
上関原発建設は、日本の二酸化炭素排出量削減の国際公約やの履行や、アジアにおける中国や韓国などの反日勢力の居る国に対応するために、国家権力の発動がしての建設推進が予想されます。
瀬戸内海の半島と島との間の自然環境を守ることも大切ですが、瀬戸内海全体の生物多様性の確保や自然環境創出は原発建設中止以外にも色々方法があります。
上関原子力発電所建設は法的な整備が整っています。一方、原発反対運動を禁止する判決が下っており、さらに高額な損害賠償も裁判所は認めています。
社会や国策は原子力発電所建設に向かっております。原発反対の支援者に囲まれていては天下国家の大勢を読み誤ることがあります。
原発反対活動をしている方々には、お体にもしものことがあれば大変です。お怪我の無いように。
また、妨害行為に対する法的な根拠のある高額な損害賠償を求められて不動産を差し押さえられ破産に追い込まれることのないように!
心よりご忠告させていただきます。

国民 2010/10/16
上関原子力発電所の建設は地域からの要望であり、国策でもあります。また、民主的手続きによって何度も地域の願いであることを選挙等で確認しています。
法的にも、上関原子力発電所の建設に反対することは、違法な妨害行為であることを裁判所が判断しています。
真に、地域や国の将来のことを考えて行動すべきです。
なお、それでも原発建設を妨害する方々は、お怪我の無いように・・・また、合法的な高額損害賠償にもご留意願います。
ご自愛ください。

 どちらにも「お怪我の無いように」と書かれている。たかがブログに対してもこんな風な威嚇がされている。現実に反対運動をしていたら様々な困難があるのだろうと考えていた。
 朝日新聞夕刊に「ニッポン人脈記」という連載のコラムがある。8月31日付けの記事は、上関原発を撮ってきたカメラマンの福島菊次郎が取り上げられている。

 1989年、山口県の瀬戸内の街、徳山市(現・周南市)で、福島菊次郎(91)の写真展が開かれた。
 県内で持ち上がった上関原発の建設計画。展示されたのは、予定地の対岸で異を唱える祝島の人たちをとらえた作品群だ。

(福島は)60年代後半には、自衛隊と兵器産業の現場を取材する。事前に記事を見せるという約束を破り、軍備の拡張を批判するキャンペーンを雑誌で展開した。
 「だましたな」。当時の防衛庁から記事の撤回を要求されたが、菊次郎は言った。「ウソを言って撮影したのはわびるが、そっちこそ大ウソで国民をだましていないか」
 それからほどなく、路上で襲われた。前から来た男に殴られ、折れた鼻から血が噴き出した。不審火で自宅が全焼するめにもあった。

 父さん、その人を襲ったのは防衛庁の役人なの? いや役人はそんなことはしないだろう。兵器産業の手先かもしれないね。ほら、ケネディを暗殺したのも、軍縮を唱えたケネディを嫌った兵器産業の雇った殺し屋だって言われているじゃないか。日本の大企業も利益のためなら結構手荒な真似をしているらしいよ。