東京銀座7丁目の十一月画廊で開かれている川畑 絵展が良い(10月6日まで)。川畑は1981年神奈川県藤沢市生まれ、2008年東京藝術大学美術学部日本画専攻を卒業している。2009年に横浜馬車道大津ギャラリーで初個展、2010年に十一月画廊で、2011年にギャラリイKで個展を開いていて、今回が4回目となる。十一月画廊では2回とも今回と同じ女性像、ギャラリイKでは電線のある風景を描いていた。女性像と電線て何だろう。
今回のギャラリーのカタログより作家の言葉。
横顔は自分ではなかなか見ることがない姿。
意識しにくいからこそ見える自分の輪郭。
想像するより美しくて、醜くて、最も自然な顔。
外からみた、真実の自分。
今回の女性像はほとんどが横顔で、みなきれいな女性像だ。それらの作品がなぜか魅力的なのだ。私はどちらかと言えば美人画が苦手な方だ。それなのに川畑の女性像に、むしろ美人画に近い印象があるにもかかわらず、魅力を感じるのだ。これはなぜだろう。それを言語化することができないでいるのだが、川畑の作品は美人画に似て、美人画ではないのかもしれない。では何なのか。私は答えることができない。ただ言えることはここには美人画一般の何かよそよそしい印象とは違うものがあることだ。
川畑が今後どのような作家になっていくのか見ていきたい。少なくとも電線のある風景画で個展をしている作家なのだ。単なる美人画を志向している作家ではないだろう。
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川畑 絵展"Un Profil"
2012年9月24日(月)−10月6日(土)
12:00−19:00(土曜日は17:00まで)
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十一月画廊
東京都中央区銀座7-11-11 長谷川ビル3F
電話03-3289-8880
http://juichigatsu-g.com/