ギャラリイKで吉田理沙展を見る

 東京京橋のギャラリイKで吉田理沙展「ancient flower」が開かれている(9月15日まで)。吉田は1985年東京都生まれ、今年多摩美術大学大学院美術研究科を修了した。「群馬青年ビエンナーレ2012」で奨励賞を受賞している。昨年10月に銀座のギャラリー零∞(zero hachi)で初個展を開いたのに続いて2回目。以前それを紹介した。
ギャラリー零∞(zero hachi)の吉田理沙展「a little vanishment」を見て(2011年10月6日)



 前回は既成のコンクリート板を小片の矩形に切断して着色したが、今回はやはり既成のコンクリートU字溝を切断し着色して円形に並べている。初個展のあと五美大展の展示を国立新美術館で見たが、今回の展示はそれらよりさらに良くなっている。寡黙でありながら、そこにはっきりと円形の物質が存在を主張している。それはコンクリートの小片の集積からなっている。それが木の床の上に並べられることによって、材質感がきわだっているのだ。個展のタイトルから、アテネあたりの大理石の遺跡を花と見なし、それを再現しようとしているのだろうか。吉田の仕事が深化しているのがよく分かる。コンクリートに拘泥する吉田の作品は、つぎにどんな風に展開していくのだろうか。
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吉田理沙展「ancient flower」
2012年9月10日(月)−9月15日(土)
11:30−19:00(最終日17:00まで)
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ギャラリイK
東京都中央区京橋3-9-7 京橋ポイントビル4階
電話03-3563-4578
http://homepage3.nifty.com/galleryk/