東京京橋のギャラリイKで崔恵貞(チェ・ヘジョン)展が開かれている(9月25日まで)。崔は韓国の作家で、2002年にソウル大学校/美術大学彫塑化科を卒業し、2009年にはフランスのEcole Emile Cohlを、また2020年にはソウル市立大学校修士を卒業している。そして韓国やフランスで個展を開いてきた。
崔はインクに黒鉛や銅紛、チタンなどを混ぜて繊細な線を描いている。きわめて繊細な作品で、写真には再現できにくい。ちらしによると、
(……)独特の素材がもたらす造形効果への興味からペン画を始め、次第に1本の線を引く過程を通して現れる見えない物、「時間」が重要なテーマとなっています。線の両端が決まっていないこと、線の蓄積がある情報として現れてくること、さらには本の作品に見られるように終りが始まりとつながる回帰構造を持つことなど、作品には時間に対する関心が一貫して流れています。
一見してまるで織物のような印象だが、ごく細い線を描き継いでいる。日本人作家では高島進と似ているかもしれない。いや、似ているのは描く方法だけで、コンセプトは別だろう。非常に興味深い作家だが、コロナ禍で来日していないということで話が聞かれなかったのが残念だ。
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崔恵貞(チェ・ヘジョン)展「補償点」
2021年9月20日(月)―9月25日(土)
11:00-18:00(最終日17:00まで)
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ギャラリイK
東京都中央区京橋3-9-7 京橋ポイントビル4F
電話03-3563-4578