山本弘の作品解説(87)「子供(仮題)」

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 山本弘「子供(仮題)」、油彩、F10号(53.0cm×45.5cm)
 制作年不明、おそらく最晩年の作品だろう。キャンバスの裏面に誰かの字で「子供」と書かれているのでそれに従った。左側にそれらしき形がある。上部に頭らしき丸が描かれ、そこから下に紡錘形が描かれていて、これが体だろう。それ以外はよく分からない。全体にパレットナイフで白を置き、その上に灰色を筆で描いている。「弘」のサインが左下に大きく書かれている。ところどころ青い色が見えて、鼠色の線が体の輪郭をかたどっている。
 絵具を厚く載り重ねた部分と、ほとんどキャンバスの地色が透けて見えるような薄塗りの部分とがある。見慣れるとなかなか面白い作品だと思う。