ギャラリー58のフクダユウヂ展「ねじれる予感」を見る

 東京銀座のギャラリー58でフクダユウヂ展「ねじれる予感」が開かれている(7月20日まで)。フクダは1974年横浜生まれ、1998年大正大学文学部国際文化学科を卒業している。2013年に講談社フェーマススクールズを卒業し、2016年にここギャラリー58で初個展、以来毎年ギャラリー58で個展を開いている。

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上記立体の表面

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 今回画廊の中央に大きな立体が展示されている。正に立体作品の真後ろに展示されている平面作品を立体化したかのようだ。赤く塗られた立体の表面には新聞に掲載された写真が貼られている。
 立体作品は段ボールで作られているという。段ボールでここまできちんとした作品ができるとは驚いた。とても軽いという。
 平面作品を立体化するというと奈良美智を思い出す。奈良はイラストのような女の子のキャラクター大きなブロンズに起こしていた。単なるイラストを立体化しただけの極めてつまらない作品だった。
 フクダの立体化作品は奈良とは違って、なかなか興味深い作品だ。表面に貼られている新聞写真も安倍首相とトランプ大統領が握手しているものだったりして、社会批判が感じられる。そもそもフクダの立体作品が段ボール製ということを抜きにしても十分面白いのだ。
 もちろん平面作品の決して可愛くはない若者の顔も、何か現代社会の重圧に苦しんでいるような印象がある。さすが中年になってから発表し始めるだけあって、お気楽な脳天気な作品は作っていない。今後とも平面作品も立体作品もみせてほしいと思う。
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フクダユウヂ展「ねじれる予感」
2019年7月15日(月)-7月20日(土)
12:00-19:00(最終日17:00まで)
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ギャラリー58
東京都中央区銀座4-4-12 琉映ビル4F
電話03-3561-9177
http://www.gallery-58.com