伊熊よし子『35人の演奏家が語るクラシックの極意』(学研プラス)を読む。クリスティアン・ツィメルマン、チョン・キョンファ、ダニエル・バレンボイム、アンネ=ゾフィー・ムター、アファナシエフ、ギドン・クレーメル、サイモン・ラトルなど錚々たる名手たちから、今回初めて名前を聞いた演奏家まで35人にもインタビューしている。なぜか日本人は入っていない。
いかにも面白そうな企画だが、これが驚くほどつまらない。わざわざインタビューしなくとも既存の資料だけからでも書けそうな内容や、行灯記事とかランタン記事と言いたいような誉め言葉ばかりが並んでいるような印象だ。
これで1冊の本にまとめようとした学研プラスの編集部の企画力を疑ってしまう。しかも本文が横書きで読みづらい。ブログなんかは普通横書きだから私は慣れているつもりだったが、本書はなぜか読みづらかった。
青柳いづみこの水準までは期待していなかったが、それにしてもほとんど参考になるところがなかった。