藍画廊の阿片陽介 陶造形展を見る

 東京銀座の藍画廊で阿片陽介 陶造形展が開かれている(8月3日まで)。阿片は1987年神奈川県生まれ、2010年に多摩美術大学美術学部工芸学科陶専攻を卒業し、2017年に筑波大学大学院博士前期課程芸術専攻総合造形領域を修了している。2015年に藍画廊で初個展、以来藍画廊では4回目の個展となる。
 この個展は、銀座・京橋を中心に10軒の画廊が集まって、「画廊からの発言/新世代への視点2019」という企画のひとつで、10の画廊がそれぞれ40歳以下の若手作家を一人推薦するというものだ。今回で20回目になるという。初めは隔年に行っていたので初回は1993年だった。私は幸運にも最初の回から見てきている。とても有意義な企画展だと思う。
 さて、阿片は陶でおもしろい形を作っている。これらは何だろう。阿片がパンフレットに書いている。

粘土を使って何もないところから形を作り出す。
その様は木が育ち、枝を払い、接ぎ木して形を成していくようだ。
ものを作ることは、作る以前と以後とで世界が変わることだと思う。
それは私の中の変化でしかないかもしれない。
しかしそれは自分の居場所を作って生きるという、姿勢を示すことでもある。

f:id:mmpolo:20190723230155j:plain

f:id:mmpolo:20190723230213j:plain

f:id:mmpolo:20190723230229j:plain

f:id:mmpolo:20190723230250j:plain

f:id:mmpolo:20190723230306j:plain

f:id:mmpolo:20190723230324j:plain


 画廊の隅の小部屋みたいな所に置かれた作品がとくに面白かった。なんだか悩める人が壁に寄りかかって考え込んでいるみたいだ。
 なお、阿片は「あがた」と読むという。「あへん」ではないのだ。
     ・
阿片陽介 陶造形展-抽象と参照―
2019年7月22日(月)―8月3日(土)
11:30-19:00(最終日18:00まで)日曜休廊
     ・
藍画廊
東京都中央区銀座1-5-2 西勢ビル3階
電話03-3567-8777
http://igallery.sakura.ne.jp/