テレビの「開運! なんでも鑑定団」を見ていると、非破壊検査株式会社のコマーシャルが流れる。金子みすずの詩が朗読される。
青いお空のそこふかく、
海の小石のそのように
夜がくるまでしずんでる、
昼のお星はめにみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。
聞いていて落ち着かない。どうやら七五調のせいのようなのだ。半端に古いからなのだろう。いや、北原白秋や若山牧水にはそんな古さを感じない。してみると金子みすずに感じる古さは、単に彼女個人の古さ、つまらなさなのではないか。金子みすずの方が若いのだ。
北原白秋(1985ー1942)
若山牧水(1985ー1928)
金子みすず(1903ー1930)
閑話休題。非破壊検査株式会社のコマーシャルは今回の金子みすずにしても、前回のプラスチック板の将棋倒しにしても、なんだかピントの外れたコマーシャルばかりだ。しかし責められるのはこれらの広告を提案した広告代理店ではなく、採用したクライアントなのだ、と昔広告の仕事をしていた私としては言っておきたい。