今日土曜日はギャラリーゴトウの山本弘展最終日だ。昨日は絵と書が売れた。懐かしい人や初対面なのにブログを通じてすでによく知っている人にも会えた(てか飲んだ)。
ふらっと立ち寄ったんだという元F市美術館館長のMさんも見てくれた。画廊主に、この作家を見るのは初めてだけど知っていると話している。どこかの誰かがこの作家について長い文章を送ってきたことがあった。何度も自殺を繰り返した人だね。
それで画廊主が私を山本弘の弟子だと紹介し、私が、長い文章を送ったのは私ですと自己紹介した。京橋にあったギャラリー汲美での個展の折りに書いて配布したものだから3年ほど前だろうか。
青酸カリを飲んだとき食道が焼けていくとか、借金の返済を巡って友人たちからどこかのダム湖に飛び込まされて向こう岸へ泳ぎ着いたとか、観光地でアルバイトをして売上げを誤魔化して雇い主に札束を取り上げられたとか、でももう一束隠し持っていたとか、とMさんは私が送った「帰燕せつなき高さ飛ぶ――山本弘、わが敬愛する画家の思い出――」のエピソードを数えあげる。これを書いた人がこの画家を好きなことはよく分かった。
飯田市の美術館には50点以上の作品が収蔵されているのに、一度も個展が開かれていないし、ほとんど認められていませんと愚痴を言うと、この画家はそのうちに飯田市を代表する画家と言われるようになるよ。
夜、山本弘の一人娘に電話し、二人で喜び合った。彼女の興奮が伝わってきた。