銀座みゆき画廊の石井紀湖展が始まった

 銀座みゆき画廊の石井紀湖(いしいきこ)展「夏の庭 夏の草」が始まった(8月1日まで)。石井は木の抽象彫刻家。今まで2年に1回ほどギャラリー山口で個展をしていたが、今年はみゆき画廊での発表だ。写真の作品は「夏の草」と題されていて、高さ2メートル、縦横1メートルという大きなものだ。いや、天井が高くより広かったギャラリー山口ではもっと大きな作品を発表していたが。
 今回は夏の庭のようにギャラリーに木彫作品が増殖していくらしい。最終日にはずっとたくさんの作品が並ぶようですよと画廊の女性スタッフが話してくれた。

 石井紀湖は以前は石井紀子と言った。大きな木彫作品を作るため自宅のアトリエにはクレーンが設置してあると、以前彼女のお父さんを仕事で訪ねた私の昔の部下が教えてくれた。お父さんというのは世界的な昆虫学者の石井象二郎先生なのだ。京都大学の名誉教授で、ゴキブリの集合フェロモンを発見したことで有名だ。大学者にもかかわらず威張ることのない優れた人格者だった。子ども向けの科学の本なども書いている。
 もう13年前になるが、私がかつて編集した虫えい図鑑に「発刊によせて」という玉稿をいただいた。その縁で、娘さんの個展を見た折りサイン帳に会社名と名前を書いてきたら、石井大先生から礼状をいただいた。恐れ多いことだった。
 別の部下は仕事で昆虫学者の長谷川仁先生を訪ねたことがあった。長谷川先生はカメムシの専門家で、世界的な版画家長谷川潔の甥御さんにあたる。所有する伯父さんの版画を何枚も見せられたという。長谷川潔の版画は1点数百万円するというお宝だから部下に真珠だった。


石井紀湖 個展「夏の庭 夏の草」
みゆき画廊 http://miyuki-gallery.com/f.html
東京都中央区銀座6-4-4 銀座第2東芝ビル2階
2009年 7月23日(木)〜8月1日(土)
AM11:00〜PM7:00(最終日 PM5:30mまで)
日/祭日休廊