巷房の吉田公美展を見る

 東京銀座の巷房・1で吉田公美展「repeat」が開かれている(7月1日まで)。吉田公美は2002年に武蔵野美術大学大学院を修了している。ここ巷房のほかギャラリー58で個展を重ねてきた。

「窓とドア」


 ギャラリーの中央に細長い階段が床から天井まで続いている。小さな木片を250個重ねて作った階段だ。途中ところどころにフェルトで作ったドアが設置されている。今回はこの階段状の作品の小さなドアと、箱状の「窓とドア」に少し使われているだけだが、しばしば吉田はフェルトの立体を作ってきた。

 細長い階段はいくつかに分けて作って来て、ギャラリーの空間に合わせて2日がかりで完成させたという。よく見るとテグスで全体を天井から吊っている。

 吉田に階段の木片の数を尋ねたら250個と即答してくれた。数多いピースで構成された作品を見ると、私はいつもその数を尋ねるが、なぜか男の作家は即答し、女性作家は分からないということが多かった。おそらく一般に女性作家は数量に興味がない傾向があるのだろうと思っている。

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吉田公美展「repeat」

2023年6月26日(月)-7月1日(土)

12:00-19:00(最終日17:00まで)

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巷房・1

東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル3F

電話03-33567-8727

https://gallerykobo.web.fc2.com/

※銀座の有名なギャラリービルで、ここで一番最初に画廊を始めたのがこの巷房なのだ。1991年だったという。今では奥野ビル全体がギャラリーばかりの名物ビルになっている。エレベーターも古く、ドアを手で開閉するタイプだ。