東京入谷のいりや画廊で飯島祐奈展が開かれている(7月8日まで)。飯島は1995年東京都生まれ、2018年女子美術大学芸術学部美術学科立体アート専攻卒業、2021年同大学大学院美術研究科博士前期課程美術専攻立体芸術研究領域を修了している。2020年、「第3回いりやKOUBO」大賞を受賞し、2021年いりや画廊で初個展の「第3回いりやKOUBO大賞受賞者作品展」を開き、同年ギャルリー東京ユマニテbisで個展をしている。2022年にガルリH(アッシュ)で個展を開き、今回が4回目の個展となる。
すべて花崗岩の彫刻作品が並んでいる。一番手前の「横長の」と題された作品が面白い。石を帯状に切り出し丸くうねるような形を造形している。一見平面的な造形に動きが感じられる。石固有の存在感が大きい作品が、同時に動きを秘めてもいる。
次に設置されている「pink gate」は、やはり帯状に切り出した花崗岩を立てている。その切り出した石の表情がどこか温かさを感じるのは、その形態からだろうか、ピンクがかった花崗岩の色からだろうか。
奥には「ロの字」形に切り出された作品が、4個あるいは1個展示されていて、どちらも「yellow view」と題されている。
画廊のスタッフが常駐しているスタンドの外面に帯が貼られている。よく見ると写真をつないだもので、「エモーショナルな長方形」と名付けられた写真のコラージュの作品だった。当初から石彫の帯にこだわっていた飯島の作品として、写真で表わした帯として興味深かった。
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飯島祐奈展「このくらいの石」と記憶
2023年6月26日(月)-7月8日(土)
11:30-19:30(土曜・祝日17:30まで、最終日16:00まで)日曜休廊
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いりや画廊
東京都台東区北上野2-30-2
電話03-6802-8122